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2013 Fiscal Year Research-status Report

海洋生物がメソスケールにおいて形成するメタ個体群の変動性を評価する試み

Research Project

Project/Area Number 24760439
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

上村 了美  大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (10450785)

Keywordsメタ個体群 / 底生生物 / マイクロサテライト
Research Abstract

マイクロサテライトマーカーを用いてムラサキイガイとホソウミニナの集団遺伝子解析を行った。ムラサキイガイについて東京湾内および東京湾外を比較すると、明確な遺伝的多様性の違いはみられなかった。また、東京湾内での遺伝的分化については、湾内のある地点の遺伝的分化の程度が高いことが示唆されたが、東京湾外と比較すると東京湾内の遺伝的分化は低い傾向がみられた。ホソウミニナについては、東京湾内の方が東京湾外よりも遺伝的多様性が高かった。また、東京湾内の集団間よりも、東京湾の外の集団間の遺伝的分化が進んでいることが示唆された。すなわちムラサキイガイとホソウミニナのメタ個体群構造について、東京湾内における遺伝的分化が湾の外と比べて低い傾向にあるという共通点が見られた。ムラサキイガイは浮遊幼生期に分散し、ホソウミニナは直達発生の後のフローティングによって分散するという違いがある。このため、後者の方が分散能力が低く、湾内スケールでも湾の外と同様に遺伝的分化が促進されるのではないかと予想された。しかしながら、本研究の結果ではこのことは支持されず、ホソウミニナの分散様式が湾スケールにおいては浮遊幼生と同様のメタ個体群構造を形成する機構である可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度に開発・調整したマイクロサテライトマーカーを用いて、ムラサキイガイとホソウミニナの集団遺伝子解析を行い、東京湾内と外のそれぞれの集団についての比較を行うことで、湾スケールにおいては、ホソウミニナの直達発生後のフローティングによる分散様式がムラサキイガイのような浮遊幼生を持つ生物と同様のメタ個体群構造を形成する機構である可能性が示唆されるという結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

解析する集団を増やしたことにより、これまでに開発した、あるいは条件設定などの調整を行ったマイクロサテライトマーカーのいくつかがNull Alleleとなるなど、解析に適さないことが明らかとなったため、マーカーの再調整を行った上で、ムラサキイガイとホソウミニナの遺伝的集団解析をさらに進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

マクロサテライトマーカーでPCRする際に、複数のマーカーを一度にPCRするマルチプレックスPCRを採用したことから、効率よく解析を進めることができたことが理由としてあげられる。また、キャピラリーシーケンサーによるサンプルの泳動の大半を受託先に依頼することによって、キャピラリーシーケンサーに必要な消耗品の購入を抑えることができ、経費の効率化を図ることができた。
Null AlleleとなったマイクロサテライトマーカーについてPCR条件を再設定し、より精度の高い解析ができるようにする。また、データ解析の際に用いるソフトを新たに購入し、データ解析についても現在より効率的に行うようにする。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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