2012 Fiscal Year Research-status Report
病原性阻害技術への応用を目指した高機能アシル化ホモセリンラクトン分解酵素の探索
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24760643
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Utsunomiya University |
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Principal Investigator |
諸星 知広 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90361360)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | クオラムセンシング / アシル化ホモセリンラクトン / 分解遺伝子 / ラクトナーゼ / 好熱性細菌 |
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| Research Abstract |
多くのグラム陰性細菌は、アシル化ホモセリンラクトン（AHL）を介したクオラムセンシングにより病原性発現を制御しており、AHLを人為的に分解することで、クオラムセンシングの活性化が抑制され、病原性発現を阻害することが可能である。これまでに、様々な微生物からAHL分解遺伝子がクローニングされており、我々の研究グループでも、植物表面に存在するAHL分解細菌から、AHLのラクトン環を加水分解するAHLラクトナーゼ遺伝子のクローニングに成功している。本研究では、従来のAHL分解遺伝子より機能的に優れる新規AHL分解遺伝子のクローニングを試みた。まず今年度は、高温でも高い活性を有する新規耐熱性AHLラクトナーゼのクローニングを行うため、ゲノム情報がデータベース上に登録されている細菌株に関して、これまでに取得したジャガイモ共生細菌由来AHL分解細菌からクローニングしたAHL分解遺伝子との相同遺伝子の探索を行った。その結果、マリアナ海溝から単離された好熱性細菌であるThermaerobacter marianensisのゲノム上にAHL分解遺伝子とある程度の相同性を示す遺伝子が存在することが明らかとなった。このAHL分解遺伝子ホモログがAHL分解活性を有するか確認するため、PCRを用いてホモログを増幅し、クローニングベクターに導入して大腸菌に形質転換を行った。この大腸菌をAHLを添加した培地で一晩培養し、培養上清中の残存AHLをAHLレポーター株を用いて検出した。その結果、クローニングベクターのみを導入した場合はAHL分解活性が見られなかったのに対し、AHL分解遺伝子ホモログを導入した場合は、上清中のAHLがほとんど消失していることが明らかとなった。以上より、本遺伝子がAHL分解遺伝子として機能することが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の当初計画では、新規AHL分解細菌のスクリーニングと国際塩基配列データベースから既知のAHL分解遺伝子を探索することを計画していたが、実際に好熱性細菌の全ゲノム情報を基に新規AHL分解遺伝子のクローニングに成功し、次年度の目標であったAHL分解活性の確認まで行うことができた。以上より、当初計画に沿って順調に研究が進展していると考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初計画に沿って、昨年度発見した新規AHL分解酵素のタンパク質発現系を構築し、AHL分解酵素の精製を行うとともに、AHL分解酵素の性質についてより詳細に解析を行う予定である。最終的には、本酵素を用いて様々な病原性細菌の病原性因子の発現を抑制可能か実証実験を行う予定である。さらに、今回発見した好熱性細菌以外にも、様々な環境からAHL分解細菌及びAHL分解遺伝子のスクリーニングを行い、より多機能な新規AHL分解遺伝子の探索を行なっていこうと計画している。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規AHL分解酵素の発現、精製系を確立するための遺伝子クローニングに必要な試薬及びキット類に関しては、物品費として計上した。また、これまでの研究成果を11月に開催される日本微生物生態学会にてポスター発表を計画しており、そのための旅費を計上した。研究成果については年度内の論文投稿を計画しており、そのための論文掲載費および英文校正費についてはその他の費用として計上した。
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Research Products
(2 results)
