2014 Fiscal Year Annual Research Report
アクリル酸グラフト繊維を用いた新規神経幹細胞培養技術の開発
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24760652
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 英樹 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30450894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞培養 / 神経幹細胞 / 高分子繊維 / 放射線 / グラフト重合 / stem cell / ポリアミド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は神経幹細胞を効率よく増殖させるために細胞が接着できる繊維材料を開発することを目的としている。ポリアミド繊維表面にポリアクリル酸グラフト鎖を導入し、更にECMタンパク質を修飾したメッシュ状の材料を作製した。マウス神経幹細胞をECM修飾ポリアミドメッシュ上へ播種し、接着した細胞はコントロールに比べて高い増殖率であった。昨年度、解析できなかった接着細胞の免疫染色による細胞種の解析や形態的な特徴の解析をおこなった。ほとんどの細胞がGFAP陽性であったが、神経幹細胞のマーカーであるネスチン陽性の細胞も見られたことから、培養経過に伴ってadultタイプの幹細胞として増殖していると考えられる。一方、TubulinβIII陽性のneuronに分化している細胞はほとんど見られなかった。ECMタンパク質を修飾したポリアミドメッシュでは細胞はメッシュを覆うように広がったのに対し、未修飾メッシュでは繊維上で細胞が集まったスフェロイド状に増殖した。ECMタンパク質を修飾したポリアミドメッシュ上では細胞のスフェロイド形成は見られなかったものの、材料に接着してからの細胞の増殖率が最も高かった。この結果からECMタンパク質修飾ポリアミドメッシュは短期的に細胞を増殖させる材料として適していると考えられるが、三次元的なスフェロイド形成培養法としては利用できない。神経幹細胞の培養基材としてだけでなく、ニューロン新生等を促す薬剤評価用基盤作製など他の用途にも展開できると考えられる。
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Research Products
(4 results)