2012 Fiscal Year Research-status Report
深海環境における光学屈折特性の補償法と深海画像計測に関する研究
Project/Area Number |
24760684
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
石橋 正二郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 技術研究主任 (90371731)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 海洋探査機・機器 |
Research Abstract |
実環境に適したカメラ+レンズ(光学センサユニット)を選定及び購入し、カメラ格納用の耐圧容器+ビューポートを設計した。実用性を考慮し、耐圧深度を2,000mから3,000mに変更し、アルミニウム合金製の円筒型の耐圧容器及びアクリル製の円錐形のビューポートとした。当該容器の製作に関しては、予算状況を考慮し、既存の耐圧容器を流用できるよう、内部シャーシを製作した。海水密度の変化及び各媒質境界を経由する光学特性の変化、カメラ格納容器及びビューポートの水圧による微小変形を補償する補正パラメータを組み込むカメラ数学モデルを設計した。当該補正パラメータは、内部パラメータ行列と外部パラメータ行列を中継するパラメータ行列として透視投影行列に組込み、購入した光学センサユニットを用いて気中及び水中環境において、校正板を使用したパラメータ同定を実施した。 また、海中におけるカメラ校正手法を考案し、内部パラメータのみを気中にて導出し、海中においてマニピュレータを使用することにより外部パラメータ及び補正パラメータを導出する手法の実用性を実験にて確認した。当該手法では、先端効果機に張付けた任意のマークを光学センサユニットにて撮影し、カメラ画像座標系と世界座標系との相関をマニピュレータの順運動学モデルを用いることにより定義する。マニピュレータ先端を立体的に移動させこの相関導出処理を繰返し行うことにより、校正板を用いることなく、海中にて周辺環境に応じたカメラ校正を実現させる。当該手法の基本アルゴリズムをプログラミングし、マニピュレータ実機を使用してその効果を検証した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施内容に要する各機器及び治具等の購入、製作が当初予定していた予算より高額となったが、既存のシステムや機器を改造あるいは流用することにより、おおむね計画通りの研究内容を実施することが出来た。また、光学センサのI/Fに対して汎用性の高いプロトコルを採用することにより、キャプチャボードにかかる経費を削減させ、ごく安価に高性能な光学センサユニットを構築することが実現された。加えて、基本的には予算を必要としない基本アルゴリズムの構築(S/W設計及びプログラミング)に重点を置いて実施したことにより、初年度の研究目的をおおむね達成することが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、海中における実データ取得を目的とし、これを実現するための試験治具を製作するとともに、海中プラットフォーム実機へ本年度製作した光学センサユニットを搭載するための通信系及び電源系I/Fを構築する。予算の不足が予想される事項に関しては、既存のものを流用するよう留意するとともに、システムコンフィギュレーションを簡易化することにより、中間システムを省略するよう努める。これら試験治具及びシステムを用いて得られた実データを基に、構築した基本アルゴリズムの妥当性を検証し、その結果をフィードバックすることにより当該アルゴリズムを再構築する。このプロセスを繰り返すことにより当該システムの機能性及び実用性の向上を図る。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実海域において試験するにあたり、主に海中プラットフォーム実機へ搭載するための治具、及び関係機器への接続インタフェースの購入に充てる。特に光学センサの取付架台、通信系及び電源系用水中コネクタ・ケーブル類の購入に使用する。
|