2014 Fiscal Year Annual Research Report
雄性配偶子の細胞膜分子構造が制御する重複受精機構の解明
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24770062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 稔幸 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (00462739)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重複受精 / 有性生殖 / 配偶子 / 花粉 / 被子植物 / GCS1 / GEX2 / 膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、テッポウユリ雄性配偶子細胞(雄原細胞)の膜タンパク質プロテオーム解析によって新規膜タンパク質LGM1の同定に成功した。花粉発生過程および各種組織間での半定量的RT-PCR解析によって、LGM1は花粉発生過程では雄原細胞形成期以降に発現し、雌性配偶子や体細胞組織には一切発現がないこと(花粉のみで発現すること)が分かった。花粉in situ hybridization解析の結果、LGM1は雄原細胞のみに発現することが分かった。また、研究代表者の発見である植物配偶子膜融合因子GCS1について、雌性配偶子側で発現することが予想されるGCS1パートナー分子探索のストラテジーを考案した。GCS1は膜貫通ドメインを1つ持つI型膜貫通タンパク質であるため、膜貫通ドメインをGFPに置換したGCS1分子(GAH)は細胞外に分泌されるものと予想できる。このGAHを卵細胞特異的プロモーターの下流に連結し、卵細胞が特異的にGAHを放出するシロイヌナズナ株の作成に成功した。精細胞核をRFP標識した花粉で受粉を行った結果、同株では野生型に比べて、配偶子融合が滞る表現型があった。このことは、分泌型GCS1が卵側の受精因子をトラップしている可能性を示唆している。また、分泌型GCS1にはGFPタグが融合されているため、GFPをターゲットにしたpull-down法によってGCS1パートナーを単離できる可能性が期待されている。
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Research Products
(5 results)