2013 Fiscal Year Annual Research Report
多様なシグナル伝達を調節するアダプター分子の制御機構解明
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24770087
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾瀬 農之 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (80380525)
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Keywords | 構造生物 / タンパク質 |
Research Abstract |
BrkおよびSTAP-2全長の組換えタンパク質を大量調製することに成功した。特にチロシンホスファターゼと共発現させることで組換えBrkを大腸菌で大量調製できるようになり、様々な変異体解析を比較的容易に行うことができるようになった。さらにSTATについても全長の組換えタンパク質を大量調製することに成功した。精製タンパク質の系を用いて、これらの活性化機構を詳細に解析できる構築することができるようになった。 活性評価のひとつとして行ったwhole-cell lysateキナーゼアッセイでは、STAP-2存在下でのみBrkにより、移動度から65および70kDaと見積もられるタンパク質に対するチロシンリン酸化が亢進した。このことからSTAP-2は何らかの作用によりこれらのタンパク質に対するBrkの活性を向上させることがわかった。それは少なくとも局在変化の結果生じたものではない。またこれらのチロシンリン酸化タンパク質はその移動度からAkt、Sam68またはPaxillinであることが予想される。 さらにin vitro kinase assayによりSTAT5aおよびSTAT5bに対するBrkの活性がSTAP-2により亢進することがわかった。つまりSTAP-2は直接Brkと相互作用し、活性を亢進させていると考えられる。 表面プラズモン共鳴を用いた結合実験系を構築した。チロシン非リン酸化型のSTAP-2はBrkとの有意な結合がみられた。これは活性化のための機能的な複合体形成のための結合に加え、酵素と基質との間でみられる結合も含む。 X線小角散乱解析から、STAP-2はチロシンリン酸化の有無によらず、部分的にunfoldな構造をとることがわかった。これはSTAP-2のドメイン間の柔軟性およびPro残基に富んだC末端側の存在によるものだと考えられる。
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Research Products
(2 results)