2013 Fiscal Year Annual Research Report
1分子蛍光偏光イメージング法による生体回転モーターの回転力発生部位の特定
Project/Area Number |
24770144
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福岡 創 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (50447190)
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Keywords | 分子モーター / バイオイメージング |
Research Abstract |
H24年度の研究で,蛍光偏光を捉えるための顕微鏡システムにより,蛍光タンパク質由来の蛍光偏光を精製タンパク質では捉えられるようになった.しかし,細胞内でそれを観察するためには,細胞の背景光等の影響が大きいことが判明し,細胞内を拡散する蛍光分子を褪色させる光学系を新設することを計画していた.一方,H24年度の研究で構築した顕微鏡システムで行った予備的な実験より,細胞内シグナル伝達分子CheYのGFP融合タンパク質を用いることで,CheY結合によりべん毛モーターが時計方向へ回転方向転換することを捉えることに初めて成功した.この結果は,長らくモデルとして想像されてきた事象が,大腸菌一細胞で直接可視化することが可能になったことを意味する.そこで平成25年度は研究計画を修正し,シグナル伝達分子CheYによるべん毛モーター回転方向制御の詳細な計測に重点を置いた.その結果,1)べん毛モーターの時計回転を引き起こすにはリン酸化CheYの結合が必須なこと,2)時計回転にはモーターの全結合部位にリン酸化CheYが結合する必要はないことから,回転方向転換時にリン酸化CheY結合によるモーターサブユニット構造変化が他のサブユニットに伝播する可能性,3)モーターの回転方向転換時にCheYは100ミリ秒程の早い時間でモーターへ結合あるいは解離することから,リン酸化CheYの結合・解離に協同性がある可能性,4)反時計回転状態のモーターよりも時計回転状態のモーターの方がリン酸化CheYの結合能が高いこと,等が明らかとなった.本成果はSci. Signal., 2014 Vol. 7, Issue 319, p. ra32に掲載された.
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Research Products
(7 results)