2013 Fiscal Year Annual Research Report
特定食品成分の摂取によるTRP受容体を介した糖質エネルギー代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
24780131
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
森 紀之 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助手 (90585184)
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Keywords | allyl isothiocyanate / TRP channel / energy metabolism / mice |
Research Abstract |
近年、肥満や糖尿病など糖質エネルギー代謝不良に起因する疾患が増加しており、早急な対応が望まれる。食品摂取により糖質エネルギー代謝の改善が可能となれば予防対策としての意義は大きい。そこで本研究はエネルギー代謝と深い関係があると考えられるTRP受容体に着目し、特定食品成分の摂取による糖質エネルギー代謝調節機構を解明する事を目的としている。これまでの検討で食品成分由来のTRP受容体の活性化成分であるアリルイソチオシアネート(AITC)の投与により、糖質代謝が亢進される事が明らかになっている。さらに、AITCによる糖質代謝の亢進にはTRPV1が関与している事、インスリン分泌の促進が関与している事、アドレナリンβ受容体を介した交感神経系の活性化機構が関与している事などが明らかにしてきている。そこで、生体内においてどの部位にて糖質代謝が亢進されているのか検討を行ったところ、骨格筋あるいは肝臓での糖質代謝が亢進している可能性が考えられた。 また、TRPV1を活性化する他の食品成分を用いた検討では、AITCほど大きく糖質代謝を変動させる成分は確認することができなかった。食品成分摂取によるTRPV1を介した糖質代謝亢進には、作用部位が様々であり、TRPV1を活性化するだけではなく、体内でどのように代謝される成分であるかまで考慮する必要がある事が示唆された。これらの成果は食品成分の摂取によるTRP受容体を介したエネルギー代謝調節機構、特に糖質代謝調節の解明につながることが期待される。
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Research Products
(4 results)