2012 Fiscal Year Research-status Report
犬におけるSIRSの重症度・予後評価法の確立ならびに血液浄化療法の検討
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24780310
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下川 孝子 鹿児島大学, 獣医学部, 特任助教 (50594404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | プロカルシトニン / HMGB1 / 敗血症 |
Research Abstract |
全身性炎症反応症候群(SIRS)およびそれに続発する多臓器不全は、重症患者における主要な死亡原因となっている。従って、SIRSの重症度を早い段階で評価し、治療介入することによって多臓器不全への進行を防ぐことができれば、重症患者の救命率を上げることにつながると考えられる。近年、プロカルシトニンおよびHigh mobility group box-1 protein (HMGB1)がSIRSの診断面での応用のみならず、炎症性メディエーター制御すなわち抗メディエーター療法の対象としても注目されている。そこで、プロカルシトニンおよびHMGB1によるSIRSの重症度評価法の確立ならびに炎症性メディエーター除去による臓器保護を目的とした血液浄化療法の確立に主眼を置いて研究を計画した。 当初、プロカルシトニンの測定は末梢血から単核球を分離後、mRNAを抽出し、real time RT-PCRにより、mRNAの定量を行う計画であった。しかしながら、将来的な臨床的有用性を考慮し、犬では測定系が存在しないELISAを用いたプロカルシトニンタンパクの定量へ計画を変更した。ELISA測定系確立のため、犬のプロカルシトニン断片に対するペプチド抗体の作製を行うと共に犬プロカルシトニン遺伝子のクローニングを行い、リコンビナント蛋白を作製を行った。今後は、得られたリコンビナント蛋白を用いて抗体の有用性を確認し、ELISA測定系を確立する予定である。 また、プロカルシトニン測定に必要な臨床検体の収集も同時に行っており、現在、100以上の症例から検体が得られている。これらの検体と症例の情報を収集し、プロカルシトニンだけでなく、他の炎症マーカーについても測定の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
プロカルシトニンの測定方法の変更および臨床検体の収集状況により当初の計画より遅れがでた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度~今年度にかけて収集した臨床検体を用いて、プロカルシトニン、HMGB1、CRP、炎症制サイトカインの測定を行う。得られた炎症性メディエーターのプロファイルと臨床症状、血液生化学検査の結果、ヒトの重症度評価の指標として用いられているスコアリングシステム(APACHE II、SOFA、MODS)との統計学的比較を行い病態および予後に関わる因子を特定する。また、SIRS症例における炎症性メディエーター除去を目的とした血液浄化療法の効果の確認をex vivoの系を用いて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に各炎症マーカーの測定に必要なELISAキットおよび抗体などの消耗品費の購入に充填する予定である。
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