2012 Fiscal Year Research-status Report
超高圧下での生合成模倣の全合成とDiels-Alder反応における圧力効果の解明
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24790025
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
鈴木 孝洋 東京理科大学, 薬学部, 助教 (80367052)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 天然物合成 / Diels-Alder反応 / 超高圧化学 / carbonyl-ene反応 / 生合成模倣 / 全合成 |
Research Abstract |
本研究では、複雑な炭素骨格を持つ、高度に官能基化されたchloropupukeananinの全合成を達成することを目的とする。生合成を模倣した超高圧下での連続的分子間Diels-Alder反応、分子内carbonyl-ene反応を合成戦略とする。 始めに生合成前駆体iso-A82775Cとpestheic acidのモデル化合物を用いてchloropupukeananinの生合成経路の検証実験を行った。光学活性な生合成前駆体を超高圧条件(1.0GPa, 96h, rt)に賦すことで、分子間逆電子要請型Diels-Alder反応と分子内carbonyl-ene反応が進行し、一挙に3環性の化合物が収率70%で得られた。これは天然物として単離されているchloropupukeanolide Dと同じ骨格を有する。続いて塩基性条件下でサリチル基の転移を行い、chloropupukeananinのモデル化合物の合成を達成した。 続いて本基質の調製を行った。iso-A82775Cの合成は、D-quinic acidを出発原料としてアリル基の付加とcross metathesisを用いるプレニル基の導入と種々の官能基変換により光学活性なシクロへキセノンを得た。現在は、ビニルアレンの導入について検討を行っている。また、pestheic acidの合成では、多置換のジアリールエーテルの効率的構築が鍵となる。そこで収束的な合成を目指し、Ullmann反応によりエーテル化を行うことにした。モデル化合物を用いて条件検討を行ったところ、CuIと1,10-phenanthrolineを用いる条件で多置換ジアリールを得ることに成功した。現在は本基質でのエーテル化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度末の研究室の主宰教員の定年退職のため、研究室の学生の人数が激減し、研究の推進に必要な学生数が足りなくなった。また、研究室の機器や試薬などを廃棄処分せねばならず、その作業のため1ヶ月以上研究活動ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き継き、Chloropupukeananinの合成研究を行う。まず、生合成前駆体を合成した後、超高圧条件下でのDiels-Alder反応/carbonyl-ene反応を行う。また並行して、生合成模倣のDiels-Alder反応における圧力効果の解明についての研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度末の研究室の主宰教員の定年退職のため、研究室の学生の人数が激減し、研究の推進に必要な学生数が足りなくなった。また、研究室の機器や試薬などを廃棄処分せねばならず、その作業のため1ヶ月以上研究活動ができなかった。そのため研究の進行が遅れ、繰越金が発生した。 また、次年度は他研究機関に異動になるため、研究環境をこれまで通りの水準にするために機器備品、薬品等の購入を予定している。
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Research Products
(5 results)