2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧下での生合成模倣の全合成とDiels-Alder反応における圧力効果の解明
Project/Area Number |
24790025
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 孝洋 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (80367052)
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Keywords | 有機化学 / 合成化学 / 天然物合成 / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
本研究では、生合成を模倣した超高圧下での連続的分子間Diels-Alder反応、分子内carbonyl-ene反応を合成戦略とし、高度に官能基化されたchloropupukeananinの全合成を達成することを目的とした。 生合成前駆体であるpestheic acidの合成では、多置換のジアリールエーテルの効率的構築が鍵となる。そこで収束的な合成を目指し、Ullmann反応もしくはBuchwald-Hartwig反応によりエーテル化を行うことにした。5置換ベンゼンである右側フラグメントは、ヨウ素体及びフェノール体をそれぞれ市販の化合物より7工程、8工程で合成に成功した。左側フラグメントのモデル化合物としてクレゾールを用いて条件検討を行ったところ、ジアリールエーテルを得ることに成功した。現在は左側フラグメントの合成を行っている。 また、生合成でのDiels-Alder反応の圧力効果の検証研究は、Lovastatinの生合成経路について行うこととした。Lovastatinの生合成中間体であり、Diels-Alder反応前駆体であるトリエンはシトロネロールからJulia-Kocienski反応を含む数工程で合成した。ジエノフィルが不飽和エステルである基質において、超高圧条件(1.0GPa、24時間)で分子内Diels-Alder反応を行った。常圧・加熱条件下での反応に比べて、Diels-Alder反応の加速効果は確認できたが、主生成物および副生成物は同一のものであった。他に痕跡量の構造未確認の生成物があり、現在構造解析中である。また、ジエノフィルの置換基を嵩高くすることで選択性の向上が見込めるため、様々な前駆体を合成する予定である。
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Research Products
(3 results)