2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790379
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
美谷島 杏子 福井大学, 医学部, 特命助教 (30552020)
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Keywords | Id2 / Apc / Wntシグナル / 腸管腫瘍 |
Research Abstract |
我々はこれまでに腸管腫瘍形成のモデルマウスであるApc遺伝子変異マウス(ApcΔ716)マウスにおいてさらに転写調節因子Id2を欠損させると、回腸に形成される腫瘍の数が1/5に減少することを明らかにしてきた。本研究はId2がWntシグナルとどのような相互関係にあり腫瘍形成に寄与するかを解明することを目的としている。腫瘍形成にはinitiationの段階とexpansionの段階があることが知られているが、Id2の欠損はApcΔ716マウスの回腸腫瘍形成のどちらの段階に寄与するのかを検討する目的で、腫瘍のサイズごとの割合を比較した。その結果Apc:Id2複合変異マウスはApcΔ716マウスと比較して0.5mm以下のmicroadenomaの割合が45%から58%に増加し、逆に0.5mm以上1mm以下の腫瘍の割合が46%から34%に減少したが、その変化は腫瘍数の80%の減少に比べると僅かであった。また、ApcΔ716マウスの腫瘍上皮細胞における増殖能とアポトーシスの割合にはId2欠損による影響は認められなかった。以上のことから、Id2はApcΔ716マウスの回腸の腫瘍のexpansionの過程よりもむしろ、腫瘍形成のinitiationの段階に重要であることが示唆された。さらにId2の下流で回腸の腫瘍形成に寄与する因子を網羅的に探索する目的で、Apc:Id2複合変異マウスとApcΔ716マウスの正常の腸陰窩を分離し、それを用いてDNAマイクロアレイを行った。その結果、ApcΔ716マウスの腫瘍形成のinitiationに寄与する因子の活性阻害因子や腫瘍形成関連因子の発現が実際に複合変異マウスの腸陰窩で上昇していることが定量的RT-PCRによる確認で明らかになった。
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