2014 Fiscal Year Annual Research Report
看護学士課程における体系的な新しい生命倫理教育の創出:アジア比較研究
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24790514
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
鶴若 麻理 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (90386665)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生命倫理教育 / 看護学士課程 / 看護倫理 / 実習倫理教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、看護大学生が実習で遭遇する倫理的問題に関する調査の分析、及び看護倫理担当者に対する看護学士課程の看護倫理教育に関する調査、実習担当者に対する看護系大学で実習倫理教育に関する調査という2つを実施し、分析した。 看護大学生が実習で遭遇する倫理的問題に関する調査は、2012年から2014年の3年間、3年生の臨地実習を終えた学生を対象に、実習中にどのような倫理的問題に遭遇したのか、無記名自記式質問紙を実施した。58名の調査票が回収され倫理的問題として記述されたのは、198場面であった。実習で看護学生が遭遇する倫理的問題(患者・家族に対するもの)の多くは、看護師の看護行為や患者に対する言動にかかわるものが主であった。実習生と教員あるいは実習先の医療職との関係性における学生指導に関する倫理的問題が多く抽出され、指導方法、言葉、態度が問題であるととらえられていた。本調査は学生を対象としたものであり、教員や実習指導者などを対象とした調査を補完することが今後求められた。看護学士課程の看護倫理担当者への看護倫理教育に関する調査では、自記式質問紙を用いて、全国235の看護系大学を対象に調査票を配布し、回収率は29.3%であった。看護倫理担当者は、看護系大学で実習倫理教育に関する調査は回収率が28%であった。それぞれの調査において、座学の倫理に関する教育との有機的な連携と実習での学生の体験をどのように倫理教育に生かしていくかが課題であった。
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