2012 Fiscal Year Research-status Report
地域中小医療機関間の医療安全知財バンクおよび教育システムの構築のための研究
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24790519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
奥津 康祐 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50596327)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域医療 / eラーニング / 医療安全 / 新人看護師教育 |
Research Abstract |
【1】、ITハード環境整備:インターネット上のWEBサーバを導入した。コンテンツ製作用アプリケーションを導入した。【2】、医療安全知財バンクおよびそれを利用した医療従事者教育システムへの参加施設募集:参加対象施設は山梨県内の医療機関とし、山梨医療安全研究会に依頼して募集した。15施設程集まった。【3】、コンテンツ製作者の養成:コンテンツ製作者となる人材に対し、コンテンツ制作の研修会を2度開催した。【4】、コンテンツの整備(医療安全知財バンクの整備):i)eラーニングや電子教材の利用に関する文献を調査した。ii)上記参加施設からコンテンツの材料(主にPowerPointファイル)を募集した。iii)コンテンツを合計20製作し、3度に分けてCD-Rによる配布を行った。iv)コンテンツ制作協力者に謝金を支出した。【5】、医療安全知財バンクを利用した医療従事者教育方法の検討:山梨医療安全研究会や、上記参加施設教育担当者等と打ち合わせの上、行った。新人看護師に使用してもらうため、施設の担当者やプリセプターが果たす役割、知識確認のための試験方法などを決定した。【6】、医療安全知財バンクの運用・職員教育を開始した。上記施設において新人看護師教育で使用した。上記20コンテンツ(知識確認試験を含む)を修了した新人に対し、修了証を発行した。 本取り組みに関して、平成25年3月9日に甲府市で開催された山梨医療安全研究会第8回大会で発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新人看護師向けの医療安全教育のeラーニングコンテンツが20作成され、医療安全知財バンクおよびそれを利用した医療従事者教育システムでの参加施設で実際に利用されることとなった。新人看護師教育全般を鑑みると、現在の平均的コンテンツサイズで合計100ほど必要になると見込まれる。しかし、コンテンツ制作のプラットフォームが構築されつつあり、また、コンテンツ材料の製作は、コンテンツ製作者、制作協力者とも経験を積むごとに短時間で学習効果の高いものが作れるようになってきている。以上を総合的に評価すると、コンテンツ制作に関する現在までの達成度は40%程である。ただし、ハード面がまだ整備しきれておらず、インターネットの利用は少なく、CD-Rメディアを使用した範囲にとどまっている。また、参加施設を徐々に拡大し、利用者を増加していくためには、コンテンツの数の増加のみならず本システムの活用実績の情宣も必要と思われ、それには一定の時間が必要となる。こういった点までも含めると、本研究の達成度は30%程である。
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Strategy for Future Research Activity |
【1】、コンテンツ整備の継続:引き続きコンテンツを製作するべく、コンテンツ材料を募集し、コンテンツを製作していく。平成24年度に実施したコンテンツ製作者となる人材へのコンテンツ制作研修会の成果を踏まえ、より質の高いコンテンツの製作に取り組む。【2】、利用状況に関するインタビュー調査:医療安全知財バンクがどの場面でどの程度利用されているのか、各施設の教育担当者1名ずつを対象としたインタビュー調査を行う。【3】、コンテンツや教育方法の見直し:前記アンケートや文献をもとに、よりよい教育方法やコンテンツのユーザーインターフェイス等を探索し、コンテンツを改良していく。【4】、同システムの効果に関するアンケート調査:医療安全教育としてどの程度効果があったのか、教育担当者及び利用者の業務負担の軽減につながったかどうか、教育担当者(各施設1名)および全利用者(150名ほどを想定)へのアンケート調査を行う。【5】、調査結果を統計解析する。 研究成果は、9月13日に京都市で開催予定の日本医療・病院管理学会第51回学術総会、および11月19~20日に東京都で開催予定の医療の質・安全学会第6回学術集会、平成26年2月に山梨県で開催予定の山梨医療安全研究会第9回大会で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
WEBサーバのバックアップ機に200,000円、作業用パーソナルコンピュータ(2台)に110,000円、事務用品に20,000円、書籍に60,000円、サーバ関連部品20,000円を購入する。また打ち合わせの旅費として、40,000円、成果報告のための旅費として、20,000円を支出する。コンテンツ製作者に対し、合計320,000円の謝金を支出する。会議費として50,000円、主にコンテンツの入ったCD-Rやアンケート用紙の配布のための通信費として160,000円、アンケート用紙等の印刷費として17,000円、研究発表費用として30,000円を予定している。
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Research Products
(1 results)