2013 Fiscal Year Annual Research Report
海外(アメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国)における鍼灸教育の比較調査研究
Project/Area Number |
24790523
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
鈴木 聡 鈴鹿医療科学大学, 鍼灸学部, 准教授 (60410932)
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Keywords | 鍼灸 / 教育制度 / 資格制度 / アメリカ / イギリス / ドイツ / 中国 / 韓国 |
Research Abstract |
鍼灸医療の代表国家と呼べるアメリカ、イギリス、ドイツ、中国、韓国における鍼灸教育を調査・比較した。各国の鍼灸に対する①教育の歴史沿革、②教育機構、③入学試験、④課程設置、⑤使用教材、⑥教員資格、⑦国家試験、⑧免許及びその業務内容を各国の研究協力者に事前調査させ、その後代表者と研究協力者が各国主要教育機関を訪問し確認した。 中国や韓国のように鍼灸を医師養成教育に組み入れている国では、大学受験を勝ち抜いた優秀な学生らが基礎、専門、臨床のすべてにおいて充実した鍼灸教育を受けており、卒後の就業も安定していた。ドイツは鍼灸自体に対する大学教育や資格はないが医師が各種セミナーなどを通じて知識技術を習得し診療に役立てていた。アメリカでは一定の大学単位を修得した者にのみ受験が認められる専門職大学院で鍼灸教育が行われていた。日本以外の国では伝統薬物療法(日本では漢方)の教育が鍼灸と併用して行われ、卒業後は鍼灸と伝統薬を併用した治療が行われていた。日本は鍼灸の教育・資格制度こそあるものの中国や韓国に比べ教育の質や資格の社会的地位が低い状況である。まずはこれら2国のように質の高い教育を提供し、延いては安定した就業が可能な資格制度改革につなげることが今後必要であろう。 以下は本研究に携わった各国在住の研究協力者である。 アメリカ:川並弘樹、Acupuncture & Integrative Medicine College, Berkeley、教員。イギリス:直本美知、THE BREAKSPEARE CLINIC中医師。ドイツ:蔀耕司、セイリン株式会社ミュンヘン駐在事務所長。中国:郭義、天津中医薬大学教授。韓国:CHO Ki-Ho、慶熙大学教授。
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