2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体リズムを基盤とした抗リウマチ薬の至適投与設計の構築
Project/Area Number |
24790531
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤 秀人 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 教授 (90346809)
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Keywords | メトトレキサート / 生体リズム / 時間治療 / 臨床研究 / 抗リウマチ薬 |
Research Abstract |
平成25年度では、継続してメトトレキサート (MTX)の時間治療に関する多施設無作為割付二重盲検比較試験を実施した。本年度は、8例の新たな被験者がエントリーした。内訳は、富山大学病院が5例、砺波総合病院が3例であった。このうち、3例が脱落例となり、2例が試験終了し、3例が試験中である。試験全体として37例のエントリーが終了している。予定エントリー数は、70例であるため、より早期に試験が終了できるようにするために、4月に再スクリーニングを実施すると共に、試験施設の拡充を行う予定である。これまでの試験期間において、重篤な副作用の発生は見られていない。 基礎研究では、夜行性であるラットに対して9:00~17:00にのみ給餌するといった時間制限摂食を行った。時間制限摂食環境下で飼育したCIAラットに対して、MTXを投薬したところ、5:00投薬群と比較し、17:00投薬群で有意に関節炎増加抑制効果を示すことが明らかとなった。通常飼育環境下では、抗リウマチ効果は17:00投薬群と比較し、5:00投薬群で有意に高いことから、時間制限摂食と通常飼育では最適な薬理効果を示す時刻が反転することが明らかになった。 本研究を通して、臨床研究では、MTXの時間治療の有用性が期待できる成果を得た。今後、慎重に試験を進めると共に、試験終了に向けて試験環境の整備に努めたい。また、個別化治療に向けた取り組みでは、活動パターンの変化により高い治療効果が得られる時刻が変化することがわかった。今後、この飼育環境下において、日周性を維持したまま位相の変化がひきおこる生体成分を同定する。この因子とMTXの作用機構との関連性を把握することで、関節リウマチに対してMTXを適切な投薬タイミングに投薬することができる個別化時間薬物療法を実現できるものと考える。
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Research Products
(5 results)