2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規クルクミン誘導体CNB-001のCaMKⅡ活性化および記憶力向上効果
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24790540
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
赤石 樹泰 武蔵野大学, 薬学研究所, 講師 (90386384)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 記憶 / クルクミン / CaMKII |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、主に海馬スライス標本を用いた電気生理学的検討を行い、in vitro系でCNB-001の長期増強(LTP)促進効果を再現し、種々のシグナル分子阻害薬を用いた薬理学的アプローチによりその作用機序解明を試みた。 海馬スライス標本にCNB-001(1および10 μM)を潅流適用すると、Schaffer側枝-CA1シナプスにおける興奮性シナプス後電位に変化は認められなかった。対照群のスライスに弱いテタヌス刺激(100 Hzで15発)を与えても短期的なシナプス伝達の増強しか生じなかったが、CNB-001存在下で同じテタヌス刺激を与えるとLTPが誘導された。このCNB-001のLTP促進効果には濃度依存性が認められた。 Ca2+/calmoduline-dependent protein kinase II(CaMKII)阻害薬共存下において、CNB-001(1 μM)を海馬スライスに潅流適用し、Schaffer側枝に弱いテタヌス刺激(100 Hzで15発)を適用したところ、CaMKII阻害によってCNB-001のLTP促進効果は完全に抑制された。これに対し、mitogen-activated protein(MAP)キナーゼキナーゼ阻害薬またはprotein kinase C(PKC)阻害薬共存下において、CNB-001(1 μM)を海馬スライスに潅流適用し、Schaffer側枝に弱いテタヌス刺激(100 Hzで15発)を適用したところ、いずれのキナーゼ阻害によってもCNB-001のLTP促進効果は抑制されなかった。 以上より、CNB-001は、PKC経路やMAPキナーゼ経路には影響を及ぼさずに、比較的選択的にCaMKII依存性LTPを促進することが示唆された。
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