2012 Fiscal Year Research-status Report
複数の遺伝子多型と生活習慣が肥満・生活習慣病発症に与える影響に関する疫学研究
Project/Area Number |
24790598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
今任 拓也 福岡大学, 医学部, 講師 (20368989)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肥満 / 生活習慣病 / 遺伝子多型 / 疫学 |
Research Abstract |
今年度は、B地区にて前年度と同様の調査を実施した。対象者は、A企業の男性労働者である。定期健康診断時に、本研究の説明を行い、十分に理解してもらった上で、書面による同意を得た。953名から同意を得ることができた。健診で採血された全血からDNAを抽出し、前年度同様にUCP1(rs1800592)、ADRB2(rs1042713)、ADRB3(rs4994)の3つの遺伝子多型を同定した。(現在、615名について解析が終了しており、残りの338名については現在解析中である。) 前年度のデータと合わせ、1684名のデータを解析に用いた。Bonferroniの補正を用い、有意差はpvalue<0.0125とした。まず、UCP1では、A/Aを持つ者が441名、A/Gを持つ者が851名、G/Gを持つ者が392名だった。同様にADRB2では、A/Aを持つ者が382名、A/Gを持つ者が838名、G/Gを持つ者が338名だった。ADRB3では、C/Cを持つ者が62名、T/Cを持つ者が523名、T/Tを持つ者が338名であった。次に重回帰分析を用いて、それぞれの遺伝子多型についてrisk alleleの数とBMIとの関連を検討した。それぞれの遺伝子多型では有意な関連は認められなかった。また、これら3種類の遺伝子多型のrisk alleleを合算しても、BMIとの関連に有意な関連が認められなかった。しかしながら、対象者の年齢を四分位に分け、同様にBMIとの関連を比較したところ、最も高齢となる53歳以上のグループにおいて、わずかながら有意とはならなかったが、正の関連が認められた(β=0.30,pvalue=0.0133)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A企業は、研究代表者の所属する研究室のフィールドであり、10年以上前より生活習慣に関する調査を継続して実施している。そのため、対象者からも十分に調査への理解が得られており、十分な対象者数を得ることができている。また、遺伝子解析も外注することで、安価で迅速に測定することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね当初の計画通りに進んでいる。現在の計画では、肥満に関連したエネルギー代謝に関連する3つの遺伝子多型を測定しているが、今後は、他の肥満に関連する遺伝子多型を測定するとともに、肥満だけでなく、糖尿病などその他の生活習慣病に関連する遺伝子多型との関連も重要であると考えられ、それらとの関連についても検討する予定である。また、運動習慣や食習慣といった環境要因との関連についても検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要であれば、さらに対象者をリクルートする予定である。また、3種類の遺伝子多型でなく、肥満以外の糖尿病などの生活習慣病に関連する遺伝子多型を測定する予定である。
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