2013 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムPCRを用いたDNA脱メチル化部位を指標とする精液鑑定法の確立
Project/Area Number |
24790650
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
渡邊 賢 科学警察研究所, 法科学第一部, 研究員 (20532047)
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Keywords | 物体検査 / 人体液斑の同定 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
精液特異的な脱メチル化が報告されているDACT1遺伝子領域について,各種体液(精液,血液,唾液,膣内容物)及び陳旧体液斑(精液斑,血痕)からDNAを抽出し,バイサルファイトシークエンスによるメチル化状態の解析を行った.その結果,精液試料では極めて低いメチル化率,それ以外の体液試料では,高いメチル化率を示し,精液証明に有効な指標であることが示唆された.さらに,陳旧斑痕においても,メチル化状態が安定的に保存されていた.特に,陳旧により従来の精液検査で陰性となった精液斑でも脱メチル化状態が保存されており,精液証明における有用性が示された.一方で,高度に陳旧化した試料においては,メチル化解析に過剰なPCR増幅が必要であり,バイサルファイト反応の副作用として知られるDNA分解の影響が原因として考えられた.実務を想定した場合,検査の手間やコンタミネーションの危険性等の観点から,よりDNAへの影響の少ない,簡便で高感度な検査法の確立が必要であると考えられた.そこで,TaqManプローブを用いたリアルタイムPCRによる検出系の確立を試みた.DACT1遺伝子領域における特定のCpGサイトのメチル化及び非メチル化状態に対応するプローブを設計し,リアルタイムPCRでバイサルサイト処理した各体液及び陳旧体液斑由来のDNAを解析したところ,本検査法により高感度で簡便な精液DNAの判別が可能であることが示唆された.
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