2013 Fiscal Year Research-status Report
色素性乾皮症A群患者の神経障害に及ぼす酸化的DNA損傷サイクロプリンの役割
Project/Area Number |
24790895
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岩本 顕聡 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20448773)
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Keywords | 酸化的DNA損傷サイクロプリン / 色素性乾皮症 / ヌクレオチド除去修復 / 神経障害 |
Research Abstract |
色素性乾皮症A群(XP-A)は常染色体劣性遺伝病で、ヌクレオチド除去修復(NER)を欠損する。症状の中でも、知能低下や運動失調など進行性の神経障害の発症機序は不明で、内因性のNER型DNA損傷の神経細胞への蓄積が神経障害発症の原因であると考えられ、最有力候補は酸化的DNA損傷サイクロプリンである。そこで、我々はサイクロプリン特異的モノクローナル抗体(CdA-1)を駆使して、この損傷が神経障害の発症に関係しているかを明らかにする。 本年度において、CdA-1のより詳細な性能解析を行った。その結果、(5'S)-cyclo-dAだけでなく、異性体の(5'R)-cyclo-dAにも強く結合し、正常DNA、紫外線照射DNA、AAF-DNAおよび8-oxo-dA、cyclo-dGに結合しないことがわかった。また、裸のDNAに銅イオン200μM、アスコルビン酸16mM、過酸化水素1.6mMを最大24時間処理することで、(5'S)-cyclo-dAや(5'R)-cyclo-dAが濃度依存的に最大10<5>塩基中70個まで増加することがわかった。この実験系を基に、正常細胞に銅イオン500μM、アスコルビン酸40mM、過酸化水素4mMを加え、37℃、3時間処理し、ゲノムDNA中にサイクロプリンを誘発させELISAで検出を試みた。その結果、検出感度を下回っているためか、検出には至らなかった(現ELISAの検出限界:10<5>塩基中1個)。 XP-Aマウスは、NERを欠損しているため、加齢とともにサイクロプリンを蓄積していくと考えられる。そこで、種々の年齢のXP-Aマウスの臓器(肝臓、腎臓、精巣、脳)中のサイクロプリン量の測定を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞におけるサイクロプリン誘発法が、まだ確立されていない。
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Strategy for Future Research Activity |
XP-Aマウスは、NERを欠損しているため、加齢とともにサイクロプリンを蓄積していくと考えられる。そこで、種々の年齢のXP-Aマウスの臓器(肝臓、腎臓、精巣、脳)中のサイクロプリン量の測定を試みる。
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