2012 Fiscal Year Research-status Report
C線維選択的刺激誘発電位による神経障害性疼痛の中枢性感作の病態解析
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24790901
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Research Institution | Clinical research Center, Chiba-East National Hospital, National Hospital Organization |
Principal Investigator |
磯瀬 沙希里 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), その他部局等, その他 (80466698)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 疼痛関連誘発電位 / 末梢神経障害 |
Research Abstract |
神経障害性疼痛の特徴は、アロディニアを始めとする疼痛過剰反応及び、末梢~中枢神経系の様々なレベルでの感作による病態機序の複雑化にあり、難治性慢性疼痛の一因となる。近年考案された表皮内電気刺激法は疼痛に関連する神経(Aδ線維及びC線維)を選択的かつ簡便に刺激することが可能であり、疼痛関連誘発電位による評価は中枢性疼痛機序に対する新たな電気生理学的評価手法として期待される。当研究は上記知見に基づき、神経障害性疼痛における中枢神経系での疼痛機序・異常反応を明らかにし、慢性疼痛の客観的評価および新規治療創出の為の基盤を構築する事を目的とした。 本年度は健常者38名に対して、表皮内刺激電極を用いた疼痛関連誘発電位を上下肢刺激下で評価し、年齢・性別・身長等の背景因子による変化を解析した。結果、同検査における潜時・振幅等の各パラメータには、それぞれの背景因子に関連する有意差は認めなかった。また、神経障害性疼痛患者14名に対して、表皮内刺激電極を用いた疼痛関連誘発電位を評価し、健常者群38名との比較・解析を行った。神経障害性疼痛患者では有意な刺激閾値上昇・振幅低下を認め、またAδ・C線維の振幅比に異なる傾向が見られた。 以上の結果を踏まえ、年齢層別の評価・正常値の検討、患者群における疼痛・非疼痛群での検討、疾患背景(基礎疾患・罹病期間・症状等)の影響等を考慮し、正常値の作成・疾患群での検査系の確立へと、今後研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常群・疼痛疾患群共に当初の目標人数を8割前後達成しており、検査手法・評価法における技術面の改善や安定性の向上もみられ、現時点の検査データによる中間解析おいても上記結果が得られており、本研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者における年齢層別解析に関しては、被験者の年齢層のばらつきが懸案課題となった為、今後は不足している中高齢健常者を主対象に絞って再度募集・評価予定である。患者群に関しては、引き続き、神経障害性疼痛患者の症例確保を図り、統計解析においては疼痛患者群での背景因子(基礎疾患・罹患歴・臨床症状・治療内容など)の均一化及びその影響を含めたサブ解析なども進め、最終的に研究成果を論文として公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)