2012 Fiscal Year Research-status Report
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24790995
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤井 博 金沢大学, 大学病院, 助教 (20596895)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 関節リウマチ |
Research Abstract |
前回実験にてIL-1ra-/-マウスにおける関節炎でCCR2をダブルノックアウトすると関節炎がむしろ増悪することを報告した。この結果からはCCR2を介したシグナルが関節炎において保護的に働く可能性を示唆されたため、CCR2のリガンドであるMCP-1を関節内投与することでIL-1ra-/-マウスの関節炎が軽減しないか検討した。 関節にMCP-1を投与したところ関節腫脹がむしろ増悪した。HE染色においても、有意にMCP-1投与群で骨破壊、軟骨破壊が増悪した。MCP-1投与群では関節内F4/80陽性マクロファージの増加が認められた。前回報告と整合性が得られない結果であったため、まずFACSで関節内のCCR2陽性細胞が何かを検討した。結果70%がLy-6C+Ly-6G int マクロファージであり、15%がLy-6C+Ly-6G high マクロファージ、CD11c+ DCとCD68+ synoviocyteが6%程度であった。関節炎が増悪したのはマクロファージの増加が原因であると考え、検討をすすめた。MCP-1 100pg関節内投与12時間後にsacrifice、関節組織よりsingle cell suspensionを作成し、FACSで検討した。この結果、MCP-1投与後12時間でLy-6C+Ly-6G+マクロファージ及び好中球が有意に増加していた。 CCR2をKOすると関節炎が増悪し、MCP-1を投与しても関節炎はやはり増悪するという結果を説明するため、「MCP-1で急性期に遊走されたマクロファージはM1で、関節内で長くとどまると途中でM2に変化し、IL-10など抑制性のサイトカインを放出する」という仮説を立てた。この仮説を検証するため現在関節内のマクロファージにおけるIL-10の産生、関節内のTh1、Th2サイトカインの推移をマルチプレックスにて検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想と異なる結果となったため、追加実験が必要であった。また人員の欠員により臨床、教育業務が当初の予想より過大となったため研究に費やすエフォートが低下した。
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Strategy for Future Research Activity |
仕事の効率化によりエフォートを確保する。今年度卒業予定の大学院生を加え、本研究に参画する人員を増やし、研究の遂行に尽力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マクロファージがIL-10など制御性サイトカインを産生するか検討するため、細胞内染色キットが必要である。経時的なサイトカインの評価のため、マルチプレックスによる評価を予定している。CCR2ノックアウトマウスの関節炎の増悪する理由として、マクロファージからのIL-10など制御性サイトカインの産生低下が考えられる場合は、WT、CCR2ノックアウトマウスからマクロファージを取り出し、細胞レベルでのIL-10などの産生能を検討する。この為にリコンビナントのサイトカイン、及びELISAキットが必要である。今年度に実験結果を学会、論文発表を予定する。 試薬が予定より安価に購入できたため、4851円の未使用額が発生した。
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