2013 Fiscal Year Annual Research Report
HO-1と転写抑制因子Bach1による破骨細胞分化制御の解明とその治療応用
Project/Area Number |
24791001
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
浜 真麻 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (70574169)
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Keywords | 破骨細胞分化 / HO-1 / Bach1 |
Research Abstract |
【目的】抗酸化,抗炎症など細胞保護作用を有する誘導型ヘム分解酵素Heme oxygenase (HO)-1の誘導が,関節リウマチの治療として有効である可能性がある.HO-1発現制御は主に転写抑制因子Bach1による.本研究は,破骨細胞分化や関節炎に伴う関節破壊へのHO-1とBach1の関わりについて解析した. 【結果】HO-1を恒常的に高発現するBach1欠損マウス,同種野生型マウスの骨髄由来マクロファージにRANKL刺激を加え破骨細胞分化を誘導し,分化の程度と分化に関わる因子の発現・機能を比較した.以前に破骨細胞分化段階の早期にHO-1の発現が抑制されること,HO-1高発現で破骨細胞分化が抑制されること,HO-1発現抑制はBach1を介した転写抑制以外にBach1非依存性の制御もあることを明らかにした.今回,p38alpha阻害剤の添加でRANKL刺激後のHO-1発現は低下せず,破骨細胞分化が濃度依存性に抑制されることから,p38alphaのリン酸化がHO-1転写抑制に関与していることを確かめた.また,通常飼育環境下のBach1欠損,野生型マウスの骨形態,破骨細胞数に差異はないが,TNFalpha刺激による炎症性骨破壊モデル及び,抗コラーゲン抗体誘導関節炎モデルで,Bach1欠損マウスで有意に破骨細胞数が少なく骨破壊が抑制され,また関節炎・関節破壊が軽減される傾向にあった. 【成果】HO-1高発現が破骨細胞分化や関節炎,炎症性関節破壊を抑制すること,破骨細胞分化開始にHO-1発現抑制が必要であることを示した.Bach1-HO-1系が骨髄単核細胞から単球/マクロファージへの分化に関わるとの報告もあり,Bach1-HO-1系は単球系細胞の関わる病態形成に深く関わっていると考えられ,HO-1発現制御機構の解析が他の病態の解析,新規治療法の開発にもつながることが期待される.
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Research Products
(1 results)