2013 Fiscal Year Research-status Report
新規バクテリオファージゲノム由来ヌクレオシドの抗ウイルス活性の可能性検討
Project/Area Number |
24791025
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
内山 淳平 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (20574619)
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Keywords | ファージ / ヌクレオシド / LC-MS / 核酸分析 |
Research Abstract |
ウイルス感染症に対する化学療法では、ウイルスの複製を阻害させる核酸類似体が使用されている場合がある。中でも、ヌクレオシドの構造をベースにした核酸類似体が高頻度で使用されている。一部のバクテリオファージ(ファージ)は、様々な修飾された核酸塩基を有していると期待される。新規の核酸誘導体は、抗ウイルス薬のリソースになりうる可能性を十分有している。それゆえ、本申請研究では、ファージの新規ヌクレオシドの捜索を行い、抗ウイルス作用の検討を目的とした。 初年度(平成25年度)では、酵素を使用しファージ核酸をヌクレオシドへ分解し、LC―MS(ナノ液体クロマトグラフィー・精密質量分析器)による分解ヌクレオシドを定量的に測定可能な分析方法を立ち上げた。数種類のファージ核酸を分析した結果、ユニークなヌクレオシド構造は認められなかった。しかしながら、数種類の同属に属するファージDNAの分析を行ったところ、ヌクレオシドの種類と遺伝学的な分類方法で相関性がみられることが明らかとなった。これを、論文に報告した(Uchiyama J, et al. (2012) Arch Virol. 157(8):1587-92.)次年度(平成26年度)は、ファージのヌクレオシドの測定により、ファージ2株でチミンの代わりにデオキシウラシル(dU)を有するファージを発見した。これら、dUを有するゲノムDNAに有するファージの発見を論文へ報告した(Uchiyama J, et al. 2014 ISME J. in press.)。 これまでの研究成果は、論文業績は出ているものの、本研究が目標とする新規核酸誘導体の発見とその評価につながるものではない。その理由の一つが、平成25年度、平成26年度とも機器の故障、大学業務等があり、順調に研究が遂行可能な状況になかったことが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ファージゲノム核酸のヌクレオシド分析を行った。まず、ファージ核酸の構成成分の測定方法を立ち上げた。LC-MS(ナノ液体クロマトグラフィー・精密質量分析器)で標準ヌクレオシドの分離・分析を行い、測定条件の設定を行った。次に、ファージゲノム核酸のヌクレオシド分析を行った。ファージ6株(Enterococcus phage φEF24C、Staphylococccus phage K、Staphylococcus phage S6、Escherichia coli phage lambda、Bacillus phage PBS1、Serratia phage KSP100)のゲノム核酸を抽出した。ゲノム核酸を酵素によりヌクレオシドへ分解し、LC-MSで測定を行った。その結果、4種類のファージ(phage φEF24C、phage K、phage KSP100、phage lambda)では、通常のDNA(A, T, G, C)であった。残りの2種類(phage S6、phage PBS1)は、dUを有するDNA(A, dU, G, C)であることが明らかとなった。 以上の研究成果を論文報告した。研究責任者は、これらの結果を分類学的・分子生物学的に考察し、ウイルス分類学での研究成果として発表した(Archive of Virology, 157(8):1587-1592, 2012)。また、チミンの代替えとして、ウラシルを二重鎖DNAの塩基にdUを保有する生物を発見したことは、生命科学上非常に意義のある結果と、他の分子生物学・細菌学・ウイルス学の研究者らからのコメントを頂いた。それゆえ、本成果に関して、論文へ報告した(Uchiyama J, et al. 2014 ISME J. in press.)。 これまでの研究成果は、論文業績は出ているものの、本研究が目標とする新規核酸誘導体の発見とその評価につながるものではない。それゆえ、これまでの研究達成度は、十分といえない。その理由の一つが、平成25年度、平成26年度とも機器の故障、大学業務等があり、順調に研究が遂行可能な状況になかったことが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、有望な核酸誘導体は見つかっていない。それゆえ、今後、保有ファージのゲノム核酸の分析を行う。また、新規ファージの分離も同時に行う予定である。さらに、dUファージ(ゲノムDNA塩基のチミンが全てウラシルに置換されたゲノムDNAを有するファージ)の細菌内での核酸生合成時に生じるヌクレオシドに関して核酸の分析を進めることを予定している。加えて、共同研究でdUファージのゲノム複製に関する研究も共同研究で開始した。この様な観点でも、核酸誘導体の調査を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、精密質量分析器の故障や標準ヌクレオシドのデータ採取等に時間を要した。また、測定機器の故障(初年度後半、次年度中盤)、教育業務や共同研究への比重が大きくなってしまった。それゆえ、本研究を遂行する時間が大きく削減された。それゆえ、本年度、次年度では、十分有効に研究費を使用することができなかった。本年度、次年度で予定した実験を引き続き研究を遂行する。以上より、研究費の繰越を行う。 最終年である平成26年度には、分析機器の修理も終了した。それゆえ、研究目標を到達できるように、核酸分析を行い、抗ウイルス効果の検討を行う予定である。
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Research Products
(37 results)
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[Journal Article] In silico analysis of AHJD-like viruses, Staphylococcus aureus phages S24-1 and S13’, and study of phage S24-1 adsorption2014
Author(s)
Uchiyama J, Takemura-Uchiyama I, Kato S, Sato M, Ujihara T, Matsui H, Hanaki H, Daibata M, Matsuzaki S
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Journal Title
MicrobiologyOpen
Volume: 3(2)
Pages: 257-270
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Draft genome sequence of Clostridium botulinum type B strain Osaka052014
Author(s)
Sakaguchi Y, Hosomi K, Uchiyama J, Ogura Y, Umeda K, Sakaguchi M, Kohda T, Mukamoto M, Misawa N, Matsuzaki S, Hayashi T, Kozaki S
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Journal Title
Genome Announcements
Volume: 2(1)
Pages: e01010-13
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Estimated distribution of KHP30-like bacteriophages in the stomach, using clinical Helicobacter pylori isolates2014
Author(s)
Jumpei Uchiyama, Hiroaki Takeuchi, Yoshihiko Sakaguchi, Iyo Takemura-Uchiyama, Shin-ichiro Kato, Keiji Gamoh, Takako Ujihara, Masanori Daibata, Shigenobu Matsuzaki
Organizer
The 12th Japan-Korea International Symposium on Microbiology (XII-JKISM)
Place of Presentation
Tokyo, Japan
Year and Date
20140324-20140325
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[Presentation] Staphylococcus aureus CC398 increasingly causing invasive infections in humans: the consequence of the acquisition of a phage of bovine origin?2013
Author(s)
van der Mee-Marquet N, Girard M, Uchiyama J, Corvaglia A, Bertrand X, Kluytmans J, Donnio PY, Quentin R, Matsuzaki S, Francois P
Organizer
10th International Meeting on Microbial Epidemiological Markers (IMMEM-10)
Place of Presentation
Paris, France
Year and Date
20131002-20131005
Invited
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[Presentation] A novel type of spherical bacteriophage, Helicobacter pylori bacteriophage KHP302013
Author(s)
Uchiyama J, Takeuchi H, Sakaguchi Y, Gamoh K, Kato S, Takemura-Uchiyama I, Ujihara T, Daibata M, Matsuzaki S
Organizer
The 5th Congress of European Microbiologists (FEMS 2013)
Place of Presentation
Leipzig, Germany
Year and Date
20130721-20130725
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[Presentation] Analysis of botulinum neurotoxin type G gene-encoding plasmid in of Clostridium argentinense2013
Author(s)
Sakaguchi Y, Uchiyama J, Suzuki T, Yamamoto Y, Ogura Y, Sakaguchi M, Tsuda C, Matsuzaki S, Hayashi T, Oguma K
Organizer
The 5th Congress of European Microbiologists (FEMS 2013)
Place of Presentation
Leipzig, Germany
Year and Date
20130721-20130725
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