2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松本 万紀子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 登録医 (50599298)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Annexin A2 / Annexin A5 / syncytiotrophoblast |
Research Abstract |
【妊娠の形態によるアネキシン蛋白の発現】正常妊娠6例、妊娠高血圧症6例、子宮内胎児発育遅症6例の分娩時に採取した胎盤をホルマリン固定し、プレパラートを作製した。一次抗体として抗Annexin A2マウス抗体と抗Annexin A5マウス抗体を使用。二次抗体としてビオチン標識抗マウスIgG抗体を使用しABC法にて染色した。染色強度に関してはcomputed image analyzerで解析した。結果はAnnexin A2は3群間に発現・局在に差を認めなかったがAnnexin A5に関しては妊娠高血圧、子宮内胎児発育遅症症例は正常妊娠症例と比較して発現が低下し、正常妊娠例ではsyncytiotrophoblast表面で強く染色され、局在の違いを認めた。 【胎盤におけるアネキシンのmRNA発現】免疫組織学的染色と同様の検体の胎盤組織(凍結)からNucleo spin RNA xs kitを用いてRNAを抽出した後、RT—PCRを施行しmRNAの定量を行った。結果はAnnexin A2、A5共に3群間に統計学上有意差は認めなかったが、Annexin A2は妊娠高血圧症例で正常妊娠と比較してmRNAが多い傾向にあった。 【絨毛細胞の単離と単一細胞レベルでのアネキシン発現の解析】Percallを用いて、分娩後の新鮮な胎盤から栄養膜細胞を分離しprimary cellとして細胞を採取し安定して培養することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分娩後の胎盤から絨毛細胞の分離手技は確立したが、予定していた胎盤の各細胞群(栄養膜細胞、羊膜細胞、胎児免疫細胞)の安定した分離・培養が容易ではなく、採取・分離方法を再検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
①胎盤の各細胞群(栄養膜細胞、羊膜細胞、胎児免疫細胞)の分離方法を再検討しながら、実験を進める。Annexin A2は栄養膜細胞や血管内皮で多く発現し、羊膜細胞などでは発現を認めないため、細胞分離が困難な場合は栄養膜細胞もしくは絨毛癌細胞株を用いることによりAnnexin A2およびA5の発現メカニズムを栄養膜細胞のin vitro実験で検討していきたい。②前年度の研究で免疫組織学的染色やmRNA量を評価した症例は少ないため、今後症例数を増やして検討をさらに進める。③正常妊娠と異常妊娠症例の胎盤から分離した栄養膜細胞を用いて、Annexin A2・A5の発現や凝固、線溶との関連を調べ、さらには低酸素下での培養による影響を検討したい。また細胞膜でのアネキシン蛋白とリン脂質との相互関係を明らかとしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫染色・ウエスタンブロッティング用抗体(Annexin A2、A5、血管内皮増殖因子(VEGF)、胎盤増殖因子(PIGF)抗体)。Annexin A2、A5のRT-PCR用primer。RNA抽出Kit 。低酸素インキュベーター。培養液。細胞凍結保存液
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