2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791117
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松本 万紀子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 登録医 (50599298)
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Keywords | Annexin A2 / Annexin A5 / 妊娠高血圧症 / 胎盤 |
Research Abstract |
【妊娠の形態によるアネキシン蛋白の発現】正常妊娠6例、妊娠高血圧症6例の分娩時に採取した胎盤をホルマリン固定し、プレパラートを作製した。一次抗体として抗Annexin A2マウス抗体と抗Annexin A5マウス抗体を使用。二次抗体としてビオチン標識抗マウスIgG抗体を使用しABC法にて染色した。染色強度に関してはcomputed image analyzerで解析した。結果はAnnexin A5は妊娠高血圧症、子宮内胎児発育遅延症例は正常妊娠症例と比較して発現が低下し、正常妊娠例ではsyncytiotrophoblast表面で強く染色され、局在の違いを認めた。Annexin A2については、さらに症例を増やし正常妊娠例(9例)と妊娠高血圧症例(13例)と比較した。結果は妊娠高血圧症例で有意に高発現であった。 【胎盤におけるアネキシンのmRNA発現】免疫組織学的染色と同様の検体の胎盤組織(凍結)からNucleo spin RNA xs kitを用いてRNAを抽出した後、RT-PCRを施行しmRNAが多い傾向にあった。また、妊娠高血圧症例の中で妊娠経過中に急激な症状悪化をみた症例では有意にmRNA量も増加していた。 【絨毛細胞の単離と単一細胞レベルでのアネキシン発現の解析】Percallを用いて、分娩後の新鮮な胎盤から栄養膜細胞を分離しprimary cellとして細胞を採取し安定して培養することが可能になった。 【Phosphatidylserine synthase-1/synthase-2】Annexin A5がPhosphatidylserine(PS) と結合するためその合成酵素のPSS1/PSS2の発現を検討した。免疫組織学的染色においてもmRNA発現においても、PSS1/PSS2の発現は正常妊娠例に比し、妊娠高血圧症と子宮内胎児発育遅延合併例では有意に低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Annexin A2およびA5の胎盤での免疫組織学的染色とmRNAの定量の結果より、妊娠高血圧症の症例数を増やす必要があったため。また、Annexin A5の発現が正常妊娠例と比し病的妊娠では有意に低下していたことを受け、Phosphatidylserine synthase-1/synthase-2に関する追加実験を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
学会、論文により研究成果を発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中に研究成果を学会および論文にて発表を行う予定であったが、実験結果により、追加実験を行うことにしたため、未使用額が生じた。 アネキシンの解析と、学会発表および論文発表を次年度に行うこととし、未使用額をその経費に充てる。
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Research Products
(2 results)