2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791117
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松本 万紀子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 登録医 (50599298)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | Preeclampsia / Annexin A2 / 胎盤絨毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
【臨床経過の異なった妊娠高血圧症の胎盤におけるAnnexin A2タンパクの発現およびmRNA発現の比較検討】妊娠高血圧症の病態には凝固線溶系の障害が関与し、胎盤虚血や血管内皮障害を引き起こすことが一因であると考えられている。アネキシンファミリーの一つであるAnnexin A2は、線溶活性増強因子であり、これまでの我々の研究で正常妊娠に比し妊娠高血圧症例の胎盤ではAnnexin A2は高発現を示すことが確認されている。さらに今回は臨床経過の異なる2つの妊娠高血圧症群間における胎盤でのAnnexin A2発現を比較検討した。正常単胎妊娠、状態の安定している妊娠高血圧症(group 1)および急性増悪のため急遂分娩を要した妊娠高血圧症 (group 2)を対象とし、胎盤絨毛でのAnnexin A2の発現を免疫組織染色し定量化した。また、凍結標本からRNAを抽出しmRNA発現レベルを測定した。結果は正常群:9例、group 1:6例、group 2:7例でgroup 2はgroup 1に比し有意に臨床的な血管攣縮症状が多く、正常群に比し児の出生体重が有意に低下していた。免疫組織学的染色においては、Annexin A2は絨毛細胞の最外層に染色され、正常群と比較してgroup 1、group 2共に有意に強い染色を認めた。mRNAの発現は正常群とgroup 1に比較し、group 2において有意な上昇を認めた。急性増悪を呈する妊娠高血圧症では胎児発育が阻害され、それらの胎盤ではAnnexin A2の発現が有意に増加していることが明らかとなった。
|