2013 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞のDNAメチル化解析による自閉症候補遺伝子の探索
Project/Area Number |
24791197
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
栃木 衛 帝京大学, 医学部, 准教授 (40456116)
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Keywords | 遺伝学 |
Research Abstract |
本研究は、自閉症患者の父親の生殖細胞(精子)におけるエピジェネティックな変異が自閉症の発症において果たす役割を明らかにすると共に、新たな候補遺伝子の同定を目指すものであり、患者・家族の血液、および父親の精子の提供を受け、父親の精子から抽出したDNAについてマイクロアレイを用いて全ゲノムにわたりメチル化の状態を定量し、健常対照群との比較によりメチル化の程度に有意な差のある領域を抽出することを目指した。最終的には、患者・家族の血液から抽出したDNAでも同様の変異が認められないかどうかを調べ、父親の精子におけるDNAメチル化の変異の意義についての評価を行うことを目標とした。 前年度は、生殖細胞を扱うにあたって倫理的配慮が極めて重要となること、また社会通念上もサンプルの提供を受ける際に適切な説明を行う必要があると考えられたことから、まず自閉症の遺伝研究において生殖細胞を扱うことの意義についての理論的検討を行った。その結果、十分な意義があることを結論づけたが、なお倫理的な配慮を最重視し、サンプル収集については慎重を期して行うこととして、マイクロアレイを用いた全ゲノムにわたるメチル化の定量方法の確立を先行して行うことを今年度の課題とした。具体的には、統合失調症一卵性双生児不一致例および健常一卵性双生児それぞれ3組の血液由来DNAサンプルを用い、Illumina社Infinium HumanMethylation450によるビーズアレイ解析を3回繰り返して行う(triplicate)ことによって、アレイによるメチル化定量の再現性と評価方法について検討した。β値を用いたメチル化状態の評価を繰り返し行った実験毎に比較したところでは、同一サンプルであっても必ずしも十分な再現性が得られない場合があり、得られたデータの適切な処理・評価方法について検討を行う必要があることが判明した。
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