2012 Fiscal Year Research-status Report
双極性障害モデルマウスでの視床室傍核の機能異常の解明
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24791247
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 智朗 独立行政法人理化学研究所, 精神疾患動態研究チーム, 研究員 (40598439)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 気分障害 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
当研究室で作成した前脳神経で変異型polymerase gammaを発現するトランスジェニックマウス(以下、mutPolg1 Tg)は双極性障害と類似した表現型を示す。このマウスは変異型polymerase gammaの発現量とは相関なく視床室傍核等の領域において部分的に欠失したミトコンドリアDNAを多く蓄積する。mutPolg1 Tgの視床室傍核における機能的変化を調べるため、RNAを抽出し、マイクロアレイを用いて網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果、ストレス応答に関わる事が知られている視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系の制御因子として知られるコルチコトロピン放出ホルモン(Crh)の発現増加が認められ、一方で糖質コルチコイドによって発現抑制される遺伝子群(glucocorticoid attenuated response genes; GARG)の発現低下が認められた。このことからmutPolg1 TgではHPA系の異常亢進が起きていることが示唆された。in situ hybridizationを行ってCrhの分布を確認したところ、Crhの発現が高いことが知られている視床下部室傍核や扁桃体中心核、内側前頭前野等でもmutPolg1 Tgにおいては顕著に発現が増加していた。 これらのことから前脳神経におけるミトコンドリア機能障害が、気分障害との関連が強く示唆されているHPA系の異常亢進を引き起こすという機構が存在することが明らかになった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的脳領域をレーザーマイクロダイセクションにより切り出し、抽出したRNAをT7プロモーターを用いたリニア増幅法で増幅し、マイクロアレイで網羅的に遺伝子発現解析を行うという一連の実験手法を確立することができた。 解析の結果、発現変化が認められた遺伝子が行動異常としての表現型に関与する可能性は十分にあり、双極性障害の発症機構を追求するための新たな実験モデルが確立したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的遺伝子発現解析により発現変動が見られた分子が、mutPolg1 Tgが病状表出の経過段階でどのような発現傾向を示すかを明らかにし、表現型と関連が示唆される分子においてその転写制御機構を追求する。 また、最終的にどこの脳領域における神経活動性変化が行動異常と結びつくかを明らかにするため、c-fosやpCREB等の免疫組織染色を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し
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Research Products
(2 results)