2015 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルにおける低用量放射線および樹状細胞を用いた放射線免疫療法の確立
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24791323
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
河合 辰哉 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70597822)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低用量放射線 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.低線量被曝がマウス免疫系に及ぼす影響について 前年度までの実験では,200mGy, 100 mGy, 50mGyの単回照射による免疫系担当細胞に有意な変化が見られなかったため,今回はやや長期的な変動を観察する目的に1回25mGyを6回/週x2週(合計300mGy)を照射し,低用量放射線がマウス免疫系にもたらす影響について以下の2種類の解析をフローサイトメトリにより行った. (1)マウス脾臓,血液,胸腺中リンパ球の集団にもたらす影響の検討:脾臓および血液中のCD4陽性およびCD8陽性T細胞,メモリー/エフェクター/NaiveT細胞,制御性T細胞いずれの集団にも非照射群との差は見られなかった.また胸腺中のCD4/CD8比,成熟/未成熟T細胞比も同様に有意差が見られなかった. (2)抗原特異的CD8細胞集団および制御性T細胞の変動についての検討:MHC Tetramerを用いたOVA(Ovalbumin)免疫マウスにおいて,照射マウスと非照射マウスの間で脾臓中リンパ球集団中OVA特異的CD8陽性細胞および制御性に有意差が認められなかった. 2.免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1による腫瘍生着阻害効果の評価を行う予定であったが,薬剤の入手の遅れにより実施できなかった. 3.2の代替案として,ヒートショックプロテインHsp90阻害薬(STA9090)と放射線照射の組み合わせによる抗腫瘍効果を評価した.この結果,STA9090投与と比較的低用量の放射線の照射(1Gyx6回/週x2週あるいは2Gyx3回/週x2週)双方を施行した群において,皮下移植した腫瘍の増大速度の抑制効果,およびマウスの生存率を,薬剤,照射それぞれ単独で使用した場合と比較して有意に高めることが示された.
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Research Products
(3 results)