2012 Fiscal Year Research-status Report
拡散強調画像を利用した側脳室内脳脊髄液の温度測定における基礎的検討
Project/Area Number |
24791325
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
赤澤 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50547784)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 拡散強調画像 / 脳室温度 |
Research Abstract |
脳温度を非侵襲的にmagnetic resonance imaging (MRI)を用いて測定する手法のひとつである、拡散強調画像から得られる拡散係数を利用する方法の検討を、頭蓋内の側脳室内の脳脊髄液の温度を算出することによって行った。 MR装置はPhilips社製Gyroscan Intera 1.5 teslaを使用し、頭部疾患のない健常成人ボランティア10名(男:6 女:4 25~32 歳 平均 27±2 歳)の頭部MRIの撮像を行った。その際、拡散強調画像はスライス厚を3mmおよび5mm、motion-probing gradientに関しては、3軸、6軸、15軸、32軸の4種をそれぞれの組み合わせで各々3回連続撮像を行い、側脳室の温度を算出した。続いてMR spectroscopy(MRS)にて左右の脳実質温度の計測を行った。MR撮像前に耳式体温計にて左右の鼓膜温度の測定を行い、その平均値を鼓膜温度とした。 頭部の拡散強調画像を同一条件で3回連続撮像を行ったが、得られた脳室温度の間に有意差はなく安定的に温度を算出可能であった。スライス厚に関しては5mm厚の方が有意に低い脳室温度が算出され、さらにばらつきも大きい結果が得られた。4種類の軸数に関してはこれらの間に有意差は認められなかった。 鼓膜温度から想定される脳室温度の理論値と算出された脳室温度との差に関しては、スライス厚が3mmでは0.7℃、5mmでは1.1℃低く算出された。MRSを用いた脳実質温度との比較に関しては、得られた左右の脳実質温度の差が2.3℃と大きな値となったため、今回の検討対象から除外することとした。 今回の検討より拡散強調画像を用いて脳室温度を安定的に計測可能であることが明らかとなった。撮像条件のうち、スライス厚の違いは算出される温度に有意差を生じスライス厚のより薄い撮像が適切と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭部疾患のない健常成人ボランティアのリクルートも問題なくできており、撮像あるいはデータ解析にも支障を生じず、研究を順調に行えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度に関しては、同一被験者において2回のMRIの撮像を行う予定であり、これまで以上に被験者に研究の意義を丁寧に説明し、健常成人ボランティアのリクルートを行っていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ解析をより円滑に行うため、ハード面での整備を行うための費用に使用していく。また国内および海外の学会を通じて、この領域に関して新しい知見が生まれていないかなどの情報収集を行っていくための費用に使用していく。
|
Research Products
(3 results)