2012 Fiscal Year Research-status Report
活性化ミクログリアが誘導する脊損後疼痛-in vivoパッチクランプ法による解析
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24791558
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Research Institution | Kansai University of Health Sciences |
Principal Investigator |
谷口 亘 関西医療大学, 保健医療学部, 准教授 (20453194)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / in vivo パッチクランプ / 神経障害性疼痛 / Spinal cord injury / ミクログリア / 慢性疼痛 / 脊髄損傷後疼痛 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
脊髄損傷(Spinal cord injury: SCI)モデルラットを作成し、脊髄損傷後疼痛のメカニズムの解析をin vivoパッチクランプ法により行なった。成熟Sprague-Dawley系雄性ラット5週齢に対して、不全脊髄損傷モデルを作成した。均質なモデルを作成するため、機械的圧迫モデルとしてIH Impactorを用いて、Th9レベルで200 kdynで1秒間圧迫することによって作成した。術後1週の時点でvon Frey testにより下肢にallodynia様の反応が出現するのを確認して実験に使用した。また、Th9の椎弓切除のみをsham群として対象コントロールに用いた。まず、脊髄損傷後疼痛の発症原因として、SCIレベルとはかけ離れた非損傷部位の下位レベルにおいて、脊髄後角ニューロンに興奮性の増強があるかどうかを調査した。腰膨大部レベルの脊髄膠様質ニューロンからin vivoパッチクランプ法により自発性興奮性シナプス後電流(spontaneous excitatory postsynaptic currents:sEPSC)を記録した。SCIモデル群におけるsEPSCの平均頻度は16.3±2.0Hzで、平均振幅は17.4±2.1pAであった(n=15)。これらはSham群のsEPSCの平均頻度・振幅と比較して、統計学的に有意に増加していた。これらの結果から脊髄損傷後疼痛のなかでも、below level型は脊髄損傷部よりの下位の正常脊髄内において、何らかの興奮性の神経可塑的変化が生じていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脊髄損傷後モデルラットで損傷レベルとは別の部位で神経可塑性による慢性疼痛が発生していることまでは確認できた。しかし、そのメカニズムまではまだ解明できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、脊髄損傷後疼痛モデルラットにin vivoパッチクランプ法を適応し、解析を行っていく。神経可塑性変化による興奮性増強のメカニズムとしてミクログリアの関与を様々な薬理学的解析にて証明していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析を進めるにあたって、高額な試薬代に主に使用予定。また小動物用麻酔器の購入を検討している
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Research Products
(16 results)