2012 Fiscal Year Research-status Report
Tr1誘導スギ花粉エピトープの同定によるスギ花粉症の根治療法に向けた基盤研究
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24791780
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野田 洋平 岡山大学, 大学病院, 医員 (00587404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | スギ花粉症 / ペプチド / 制御性T細胞 / IL-10 |
Research Abstract |
スギ花粉症は有病率が25%を超える国民病であり、国民のQOLや労働生産性に多大な障害を与えている。従ってスギ花粉症に対する感作および発症の予防法、ならびに根治的治療法の確立は急務である。スギ花粉症の根治はスギ花粉に対するアレルギー応答を欠如させる、すなわち免疫寛容を誘導することである。免疫寛容にはT細胞が中心的に関与する。T細胞にはアレルギーの成立や増悪に関わるTh2細胞など多くのサブセットがあるが、免疫寛容に関わるT細胞としてはTreg細胞やTr1細胞などがある。本研究の目的は、スギ花粉アレルゲンのなかでTr1細胞が認識するペプチド部分、すなわちTr1誘導スギ花粉エピトープを網羅的に同定することである。本年度は、まず健常人のCry j 1に対する応答性(IL-10産生性)を検討した。健常人から採血を行い、比重遠心法にて末梢血単核細胞(PBMC)を分離した。健常人由来PBMCをCry j 1にて刺激し、培養上清中のIL-10をELISAにて測定した。また刺激後のCD4陽性細胞が発現するIL-10をフローサイトメーターにて観察した。弱いながらも培養上清中にIL-10の産生が認められた。一方、健常人においてはCry j 1刺激にてCD4陽性細胞におけるIL-10発現が誘導されることも明らかとなった。さらに本年度は、Cry j 1のオーバーラッピングペプチドを作製した。Cry j 1のアミノ酸配列を基に、N末端より15アミノ酸からなるオーバーラッピングペプチドを計45種合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常におけるPBMCのCry j 1に対するIL-10応答性が確認できた。またCry j 1の合成ペプチドが作製できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は合成したペプチドを用いて、健常人が認識するTr1誘導エピトープペプチドの同定を進める。すなわち、今年度で確認できたIL-10応答性を指標として、健常人由来PBMCを合成ペプチドにて刺激しIL-10応答性を観察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度にて予定していた試薬が実際より安く購入できたため残額が生じた。平成25年度にてELISAやフローサイトメーター用の試薬などの購入費に使用する。
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[Journal Article] Early interventional treatment with intranasal mometasone furoate in Japanese cedar/cypress pollinosis: a randomized placebo-controlled trial.2012
Author(s)
Makihara S, Okano M, Fujiwara T, Kimura M, Higaki T, Haruna T, Noda Y, Kanai K, Kariya S, Nishizaki K.
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Journal Title
Allergology International
Volume: 61
Pages: 295,304
Peer Reviewed
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