2012 Fiscal Year Research-status Report
花粉症に対する鼻噴霧ステロイド薬の初期療法の効果と分子メカニズムの解明
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24791783
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北村 嘉章 徳島大学, 大学病院, 講師 (60380028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 花粉症 / 初期療法 / ヒスタミンH1受容体 / 鼻噴霧用ステロイド薬 |
Research Abstract |
鼻噴霧用ステロイド薬を用いた花粉症の初期療法の効果と分子メカニズムを明らかにする。鼻噴霧用ステロイド薬の初期療法は、鼻粘膜におけるヒスタミンH1受容体遺伝子発現の亢進を抑制することにより、導入療法よりも花粉症に対して高い効果を示すという作業仮説を証明する。花粉症における最も重要なケミカルメディエーターはヒスタミンであり、ヒスタミンH1受容体は症状発現に深く関与している。H1受容体は単にヒスタミンのシグナルを細胞内に伝達するのみならず、受容体自身がシグナルの調節機構に関与している。我々はtoluene diisocyanate (TDI) を用いたアレルギー性鼻炎の動物モデルを用いて、鼻粘膜の肥満細胞からヒスタミンが遊離すると、鼻粘膜のH1受容体の遺伝子発現が増加し、ヒスタミン過敏性が亢進することを見いだした。海外において、鼻噴霧用ステロイド薬も初期療法効果を示すことが報告されている。さらにTDIを用いたアレルギー性鼻炎の動物モデルでは、ステロイドの投与により、鼻アレルギー症状とともに鼻粘膜のH1受容体の遺伝子発現の亢進が抑制された。我々が開発したヒトの鼻粘膜のヒスタミンH1受容体mRNAを低侵襲で繰り返し測定できるシステムを用いた。鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法を行った患者は無治療患者と比べ、鼻粘膜のヒスタミンH1受容体遺伝子発現が抑制され、くしゃみ、水様性鼻汁の症状も抑制されていた。鼻噴霧ステロイド薬による初期療法を行った患者の鼻粘膜のH1受容体遺伝子発現と症状を花粉飛散初期、中期(ピーク時)、終期に測定し、経時的な変化を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が開発したヒトの鼻粘膜のヒスタミンH1受容体mRNAを低侵襲で繰り返し測定できるシステムを用いて測定している。鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法を行った患者は無治療患者と比べ、鼻粘膜のヒスタミンH1受容体遺伝子発現が抑制され、くしゃみ、水様性鼻汁の症状も抑制されていた。鼻噴霧ステロイド薬による初期療法を行った患者の鼻粘膜のヒスタミンH1受容体遺伝子発現と症状を花粉飛散初期、中期(ピーク時)、終期に測定し、経時的な変化を明らかにしつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
鼻噴霧ステロイド薬による初期療法と抗ヒスタミン薬による初期療法を比較し、その効果、さらに鼻粘膜のH1受容体遺伝子発現と症状との相関関係を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初期療法を行わず花粉症が発症した患者に、発症後に鼻噴霧ステロイド薬を投与し、鼻粘膜のH1受容体遺伝子発現と症状の経時的な変化を明らかにする。同時に、鼻噴霧ステロイド薬による導入療法と抗ヒスタミン薬による導入療法を比較し、その効果、さらに鼻粘膜のH1受容体遺伝子発現と症状との相関関係を調べる。鼻粘膜を経時的にスパーテルで擦過採取し、ヒスタミンH1受容体の遺伝子発現の定量的検討をリアルタイムPCRにて測定する。次年度に6691円は試薬の購入に利用する。
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Research Products
(2 results)