2012 Fiscal Year Research-status Report
老人性難聴に関連するSirt3遺伝子多型とミトコンドリア遺伝子多型の検索
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24791803
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大塚 尚志 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80453299)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 老人性難聴 |
Research Abstract |
本研究では、研究計画に沿ってその進行をおこなった。平成24年度は、STEP1ならびにSTEP2、3を計画に沿って進めるが、よりSTEP1に重点を置いて遂行した。 ● 対象確保と対象情報管理 (STEP1)対象の設定は岩手医科大学耳鼻咽喉科外来を受診した65歳以上の老人性難聴を伴う高齢者と伴わない高齢者、それぞれ192名、併せて384名を対象数としたが、現在老人性難聴群81例、健聴高齢者群76例、計157例を確保した。各対象には倫理委員会の承認を得た説明内容また説明文書を用いて、当研究がヒト遺伝子研究である旨を十分に理解頂いたうえ、承諾・同意を得られた方のみを対象とした。また、対象の方には 岩手医科大学耳鼻咽喉科外来および聴力検査室にて聴力検査ならびに上肢末梢静脈より2ccの採血を施行した。得られた検体は当院内の探索的研究施設内の-81℃の冷凍庫にて保管している。また、確保された対象における全ての情報は匿名化の上、ネットワーク環境とは隔離されたコンピューターに保管し管理している。 ● Sirt3遺伝子多型解析 (STEP2)ならびにミトコンドリア遺伝子解析 (STEP3)得られた末梢全血液より、遺伝子を抽出し、MassARRAYを用いて、標的部位のSNPを検出する予定であるが、解析装置は現有設備であり、現在すでに解析の試薬消耗品等は大半準備済である。順次解析を行っていく予定である。 本年度は日本耳科学会での報告を行い、国内での公表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般的な大学病院受診患者数の減少により、相対的に対象候補者も減少しており、対象の確保に苦渋している。 また、震災による、震災に関連した要素からくる種々障害もあり、1つ1つの研究遂行プロセスに影響するものもあり、それぞれ対応してい
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Strategy for Future Research Activity |
【平成25年度】 上記のSTEP1、STEP2ならびにSTEP3を継続して行うが、よりSTEP2、STEP3に重点を置き,研究を進行させる。 ●Sirt3遺伝子、ミトコンドリア遺伝子多型解析(STEP3続き)○配列アライメント、多型解析; 各検体で得られたミトコンドリアのフルゲノム塩基配列情報はマルチプルアライメント解析ソフトClustalXを用いて配列アライメントを行う。アライメント終了後の配列データを用いSNPの検索ならびに同定を行う。○同定されたSNPの出現頻度解析により、臨床耳科学的視点から、健聴高齢者群に比し老人性難聴群に特異的なSNPの同定を行う。○ミトコンドリア遺伝子多型ではアミノ酸置換を伴う非同義置換SNP(想定数200箇所)を基盤としてハプロタイプ解析を行う。聴覚検査像と併せて、聴力障害に関連する可能性のあるハプロタイプの同定を行う。○Sirt3、ミトコンドリア遺伝子でのSNPと聴力障害との関連を多重ロジスティック回帰ならびに重回帰分析を用いて解析(SPSS ver13.0)し、臨床耳科学的ならびに分子生物学的視点から病態解明に迫る。 なお、研究計画に沿って遂行するために、対象確保により力を入れる。同時に検体の解析に重点を置き、解析結果を併せて総合的な統計解析を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、検体の解析に研究費の大部分が使用される。大半が試薬消耗品である。 また、最終的に国際学会(36thAssociationforResearch inOtolaryngology(ARO).USA.)での本研究の発表を予定している。
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