2013 Fiscal Year Annual Research Report
老人性難聴に関連するSirt3遺伝子多型とミトコンドリア遺伝子多型の検索
Project/Area Number |
24791803
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大塚 尚志 岩手医科大学, 医学部, 助教 (80453299)
|
Keywords | 老人性難聴 / ミトコンドリア / Sirt3 |
Research Abstract |
本研究では、研究計画に沿ってその進行をおこなった。対象確保と対象情報管理 (STEP1)対象の設定は岩手医科大学耳鼻咽喉科外来を受診した65歳以上の老人性難聴を伴う高齢者と伴わない高齢者、それぞれ192名、併せて384名を対象数としたが、現在老人性難聴群84例、健聴高齢者群76例、計160例を確保した。各対象には倫理委員会の承認を得た説明内容また説明文書を用いて、承諾・同意を得られた方のみを対象とした。また、対象の方には 岩手医科大学耳鼻咽喉科外来および聴力検査室にて聴力検査ならびに上肢末梢静脈より2ccの採血を施行した。得られた検体は当院内の探索的研究施設内の-81℃の冷凍庫にて保管している。また、確保された対象における全ての情報は匿名化の上、ネットワーク環境とは隔離されたコンピューターに保管し管理している。 Sirt3遺伝子多型解析 (STEP2)ならびにミトコンドリア遺伝子解析 (STEP3)得られた末梢全血液より、遺伝子を抽出し、MassARRAYを用いて、標的部位のSNPを検出する。 結果、ミトコンドリア遺伝子では12SrRNAを含むOXHOS構成領域での13部位の遺伝子が老人性難聴群において統計学的有意であった。またSirt3遺伝子のSNPでは、聴力との重回帰分析により1部位(rs4758633)が聴力障害と関連する可能性が示唆された。 本年度は日本耳科学会ならびに厚労省班研究班報告会での報告を行い、国内での公表を行った。一般的な大学病院受診患者数の減少により、相対的に対象候補者も減少しており、対象の確保に苦渋した。また、震災による、震災に関連した要因からの影響で研究遂行プロセスに影響するものもいまだ多くあり、さらなる今後の研究体制を再構築していかなければならない。
|