2012 Fiscal Year Research-status Report
抗炎症・抗酸化作用による正常眼圧緑内障モデル動物の網膜神経節細胞死抑制
Project/Area Number |
24791827
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新田 卓也 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (90507576)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
グルタミン酸トランスポーターの1つglutamate/aspartate transporter (GLAST)の機能異常をもつ遺伝子欠損マウスでは、眼圧が正常にもかかわらず、慢性のグルタミン酸濃度上昇による、網膜神経節細胞死が誘導されることが明らかにされている(Harada T et al. J Clin Invest. 2007)。 GLASTの遺伝子変異は実際のヒューマンの緑内障患者でも見つかっていることから、正常眼圧緑内障の動物モデルとして、現在GLASTノックアウトマウスが、もっとも有力視されている。 また緑内障の原因の一つとして、酸化ストレスが関与していることが分かっており、眼圧に依存しない新しい緑内障治療の方法として、抗酸化物質が注目されている。アスタキサンチンは強い抗酸化作用をもつ天然由来のカルテノイドであり、サプリメントとしてすでに市販されているが、緑内障についての効果は不明である。 本研究では、GLAST(+/-)マウスに対して、アスタキサンチンを投与して、慢性のグルタミン酸濃度上昇による、網膜神経節細胞死を抑制することが可能であるかどうかを調べる研究である。 今年度は、動物の繁殖状況から、進行が遅れており、プライマリーな投与データしか得られていない。しかしながら少数例の投与では、投与群と非投与群で差が出ている。容量依存性などをみる実験は、これから始まるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウスの繁殖が難しく、さらに他の実験との兼ね合いもあり、実験が思うように進行していない。しかし今年度中に、共同実験者の他の実験が終了する予定なので、本研究に100%マウスを使うことができるようになる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの数を増やして、追加実験を行い、アスタキサンチンの有効性を証明する。さらに容量依存性についても検討し、最適投与量を確認する予定である。また実際の薬剤の作用機序を調べるために、網膜の酸化ストレスについてを各種のマーカーを用いて評価していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外の学会に参加予定であったが、参加を見合わせたため、その分が未使用金額となった。動物の繁殖・維持費用、分子生物学的試薬の購入、病理切片の作成などや、情報収集のための学会への旅費などに資金を使用する予定である。
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