2012 Fiscal Year Research-status Report
骨密度評価に基づくインプラントの初期固定獲得のための治療プロトコールの確立
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24792094
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
磯田 桂 九州大学, 大学病院, 医員 (30608972)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | インプラント / CT / インプラント初期固定 |
Research Abstract |
インプラント治療において,インプラント埋入時の初期固定の獲得は治療の成否を左右する重要な因子であり,その初期固定の程度にはインプラント埋入予定部位の骨質が大きく影響することが報告されている.したがって,術前にインプラント埋入予定部位の骨質を評価し,適切な初期固定を得るために,骨質に応じたインプラントデザインおよび術式を選択する必要がある.そこで,本研究の目的は,CTデータを用いた骨質評価に基づくインプラント治療プロトコールの選択法を確立することとする.そのために,CT値を計測することによりインプラント埋入予定部位の骨質を客観的に評価し,インプラントデザインの違いにおける骨質と初期固定の相関を比較検討した. 試料としてブタ大腿骨頭を用い,CT撮影用兼手術用のステントを作製した.その後,CT撮影を行い,画像解析ソフトを用いてインプラント埋入予定部位周囲骨のCT値を算出した.次に形状がStraightタイプのインプラントを22本, Taperタイプを23本準備し,ステントを用いて埋入窩を形成した.インプラント埋入時に最大埋入トルク値(ITV)および Implant Stability Quotient(ISQ)を測定した.その後インプラントを除去し,その時の最大除去トルク値(RTV)を測定した.統計解析には,骨質(CT値)と初期固定値(ITV,ISQ,RTV)との間,および各初期固定値間の相関分析を用いた. 結果として,Straight群において,CT値とITV,ISQおよびRTVとの間にそれぞれ強い正の相関を認めた.Taper群においても,CT値とITV,ISQ,およびRTVとの間にもそれぞれ強い正の相関を認めた. 本研究の結果から,両インプラント群において埋入予定部位の周囲骨のCT値から,インプラント埋入時の初期固定値を予測できる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は予定の3分の2程度が終了しており,今後は,残りの実験と,CTデータの解析および,それから算出したCT値と実験で記録した初期固定値間での統計解析が必要である.画像解析方法および統計解析に関しては,以前行った研究で確立したものがあるため,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
1.術式の違いがインプラントの初期固定に与える影響の検討 埋入予定のインプラント幅径よりも小さな埋入窩を形成してインプラントを埋入する方法(adaptation technique)など,様々なインプラント埋入術式について,骨質と初期固定値との間の相関を解析する. 2.骨質評価に基づいたインプラント治療プロトコールの立案 CTデータより得られた骨質評価に基づき,インプラント術前処置(骨増生など)も含め,インプラントデザイン・術式の選択など,適切な初期固定を得るための治療プロトコールを検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残りの実験を遂行するために必要な費用(試料および器具等)と画像解析に必要な費用(データ保存用ディスク等),また投稿論文作成のために必要な費用(校正費等),研究成果を発表するために必要な費用(旅費等)などに使用する予定である.
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Research Products
(1 results)