2013 Fiscal Year Research-status Report
多種のMRI画像情報を応用した高精度顎運動力学解析システムの開発と適用
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24792140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中井 隆介 京都大学, 再生医科学研究所, 研究員 (10576234)
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Keywords | MRI / 顎運動 / 顎関節 / 画像処理 / シミュレーション |
Research Abstract |
平成25年度は、シミュレーションシステムに各種情報を入力するための顎運動MRIデータおよび高精細構造MRIデータからの自動顎運動解析手法およびレジストレーション手法等の開発を行い、顎運動有限要素法(FEM)モデルのデータ組み立てを進めた。 被験者のMRI画像データは、京都大学再生医科学研究所に設置されてあるMRI装置(Siemens社製MAGNETOM Sonata 1.5T)および頭部用受信コイルを用いて取得した。顎運動のMRI撮像においてはTrue FISP (fast imaging with steady state precession) シーケンスを、高精細な構造のMRI撮像においては高解像度MPRAGE (magnetization prepared rapid gradient echo)シーケンスを用いて、顎関節を中心に撮像を行った。また、顎運動の撮像においては被験者はMRI撮像中に下顎の開閉口運動を行った。これにより得られた画像に対して、閾値処理、骨部抽出処理やレジストレーション処理等の画像処理手法を開発し、顎運動軌跡を取得した。結果として、自動処理により得られた顎運動の軌跡はかなり正確であることがわかった。この成果については、今年の国際磁気共鳴医学会で発表を行う予定である。 また現在、顎運動の情報、および、顎関節の情報、筋肉の情報等を、顎運動有限要素法(FEM)モデルに組み込む作業を行っており、力学解析システムの構築を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顎運動力学解析システムの構築を目指し、平成25年度はシミュレーションシステムに各種情報を入力するための顎運動MRIデータおよび高精細構造MRIデータからの自動顎運動解析手法およびレジストレーション手法等の開発を行った。これらの技術はシミュレーションシステムの開発を進めるにあたって重要なものである。そしてここからの情報を元に、現在シミュレーションモデルの構築を進めており、現在のところ計画通りに順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度に構築した画像処理計測手法を使い、種々の情報を元にシミュレーションモデルの作成を進め、モデル構築を完了させる。そして、力学解析シミュレーションの手法を確立し、種々の条件において力学解析を行い、顎関節異常と顎運動の関係性についての検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は、あるシミュレーションソフトウェアを初年度に買取契約で購入する予定であったが、それよりもより望ましいと思われるソフトウェアがあり、それを買おうと検討したが買取では高すぎて買えないため、年間レンタル契約として購入することとした。また歯接触分析装置も本予算とは別に購入されたものを使用している。 シミュレーションシステムの構築で使用するオプションツール、ライブラリ等の購入を計画している。またその他は学会への旅費および学会参加費、英文校正費等において使用する予定である。
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