2012 Fiscal Year Research-status Report
成体由来幹細胞の分離技術・遺伝子導入技術を用いた歯牙・歯周組織再生
Project/Area Number |
24792151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新部 邦透 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50468500)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 歯牙再生 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本年度はまず非歯原性間葉細胞が歯原性細胞に成り得るかを解析した。①成体由来マウス骨髄間葉系幹細胞をマウス胎児歯胚への移植実験を行った。GFPでラベルされた間葉系幹細胞を野生型マウス胎児歯胚に移植する事で、間葉系幹細胞が生着すればGFPで認識可能であり、非歯原性間葉が歯原性細胞に成り得ることが証明できる。しかし、胎児口腔内は予想よりも移植操作が難しく、また移植できたとしても母親の腹に戻し出産される確率は約3割程度であったため、時間とコストがかかり研究計画を練り直した。そこで②成体由来マウス間葉系幹細胞をマウス成体前歯部歯胚への移植実験へ切り替えた。マウスは成長後も前歯部が伸びることが知られている。つまり前歯の歯根にはまだ歯胚を構成する細胞が残っている。そこで、前歯部歯胚への移植を行う事で骨髄間葉系幹細胞が歯原性細胞に成り得るかを解析した。この方法はより実際の再生医療を見越した方法であるが、歯胚の形成は胎生期の上皮と間葉の相互作用が重要であるため、間葉系幹細胞に成体の上皮系細胞からの何らかのシグナルが入り上皮間葉相互作用が起こるかは定かではない。現在この方法のプレ実験を行っている段階である。また、硬組織、特に歯牙は成体で一番固い組織であるため免疫染色時の切片作製は難しく技術が必要であるが、現在野生型マウスの顎骨切片の免疫染色の方法は習得済みであり、解析の準備は進んでいる。今後はこの方法で生着が確認できれば、上皮系細胞の探求を行っていく予定である。生着が確認できない場合は、マイクロアレイ解析による歯原性間葉特異的遺伝子の特定を行い、遺伝子導入による歯原性間葉の誘導を行おうと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画よりも遅れているのは、まず移植操作が難しかったことが一つの大きな理由である。また残念な事に、私が利用している実験共用マウス室から緑膿菌感染が蔓延し、クリーンナップのため実験動物を一時的に飼育できない環境になってしまったため(他のマウス室に移す事もできないため)、専門の卵操作技術を有する先生にGFPマウスを使える状態に戻して頂くまで約4ヶ月何もできない状態になってしまったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス室の問題で途中で中断してしまった研究(成体由来マウス間葉系幹細胞をマウス成体前歯部歯胚への移植実験)をまず行い、骨髄間葉系幹細胞が歯原性間葉に成り得るかを検証する。今後はこの方法で生着が確認できれば、上皮系細胞の探求を行っていく予定である。生着が確認できない場合は、マイクロアレイ解析による歯原性間葉特異的遺伝子の特定を行い、遺伝子導入による歯原性間葉の誘導を行おうと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
移植用マウスの購入、およびFACS用抗体、免疫染色抗体の購入費となる。 未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)