2014 Fiscal Year Research-status Report
FGF2徐放を用いた低侵襲で確実性のある歯槽骨再生ー生物学的裏付けを伴う組織工学
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24792190
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小玉 直樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (90572355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゼラチンハイドロゲル / FGF-2 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼラチンハイドロゲルを用いたFGF-2徐放システムにより生じる歯槽骨再生現象を組織学的に検証した。平成24年度に施行したddYマウスの実証実験から10μgのFGF-2を7日間かけて徐放することで効果的な歯槽骨再生が生じ、一連の再生現象が約4週間の期間で終息することを確認している。この際に得られた資料を基にして遺伝子発現の分析と情報収集を行った。この骨再生現象の骨膜では、骨原性細胞のマーカーであるアルカリフォスファターゼやオステオポンチン、オステオカルシンを発現した細胞が増殖し、既存皮質骨へ添加する形で骨再生現象が生じた。対照群と比較した解析ではFGFレセプターmRNA発現が有意に上昇していることを確認し、併せて、CBFA1やBMP2,4,7遺伝子発現も上昇していることを示した。これら骨再生にかかわる細胞の増殖は一過性で細胞増殖活性を評価するPCNA陽性率は4週間後には正常骨膜と同一水準に低下している。 当該研究では引き続きddYマウスの実験系を利用し、FGF2を反復投与することで骨再生量を増大する可能性を検証するとともに、これまでの単回投与と同様に組織学的な検証を加えて考察することを予定している。 このような細胞培養や骨採取を必要としない簡便な方法で確実な歯槽骨再生をもたらすシステムの臨床応用は例がなく、実現し利用可能となれば歯科インプラント症例の適応拡大や唇顎口蓋裂治療における骨移植の代替など、患者が受ける利益は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験施設の移転作業に付随し、主要な動物実験を遂行できない期間が生じ、実験が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請した計画に沿って研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
FGF2蛋白や遺伝子実験に使用する酵素など、比較的高額な試薬や実験材料の調達費用が抑えられたこと、また、実験計画が遅延していることから次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験や解析に要な実験材料を予定通り購入する。
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