2015 Fiscal Year Annual Research Report
FGF2徐放を用いた低侵襲で確実性のある歯槽骨再生ー生物学的裏付けを伴う組織工学
Project/Area Number |
24792190
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小玉 直樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (90572355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FGF2 / 骨再生 / 歯槽骨 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼラチンハイドロゲルを用いたFGF-2徐放システムにより生じる歯槽骨再生現象を組織学的に検証した。組織像やmRNA発現分布の解析では、FGF-2により、FGFR1~3を発現する細胞の増殖と既存骨と連続する化骨形成を確認した。定量的RT-PCRによる遺伝子発現量の定量解析においても組織内のFGFR1~2発現の増加が確認された。続けて骨芽細胞の分化に関与する転写因子であるRUNX2についてもmRNA発現分布と遺伝子発現定量解析を行い、これらの発現が亢進していることが観察された。また、増殖し化骨を形成している細胞が主要な骨基質タンパクであるⅠ型コラーゲンやアルカリフォスファターゼ、オステオポンチン、オステオカルシンを発現し、定量的RT-PCRで発現の亢進が確認された。オステオポンチンについては、遺伝子の発現亢進に加え、免疫染色で蛋白の産生を確認した。 FGF-2を至適条件で投与することで、既存の骨芽細胞系細胞の増殖と活性化が生じ、骨膜添加性に骨再生現象が生じることが確認された。再生現象は一過性であり、微量ではあるものの人工的に骨膜性の皮質骨添加を惹き起こすことができる。FGF-2は褥瘡性潰瘍の治療薬として既に臨床応用されており、蓄積されたデータから安全性について担保されつつある。さらに試適条件を検索することで、骨再生への臨床応用が可能となるかもしれない。
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