2012 Fiscal Year Research-status Report
内臓感覚賦活化による口腔生理機能の再生ー脳腸相関モデルとPETイメージング解析ー
Project/Area Number |
24792299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
植田 紘貴 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10583445)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 唾液分泌 / 迷走神経 / 中枢投与 / 口腔乾燥症 / 電気生理学 |
Research Abstract |
本研究は、脳腸相関の観点から内臓感覚が唾液分泌を含む顎口腔機能を統合的に制御するメカニズムを明らかにする。特に、末梢から中枢への知覚情報による唾液分泌制御のメカニズムを明らかにする。具体的に本課題では顎口腔機能に対する内臓感覚と摂食関連ペプチドの役割における(1)上部消化管の内臓感覚が唾液分泌を含む顎口腔機能の制御に与える影響、(2)摂食関連ペプチドが唾液分泌を含む顎口腔機能の制御に与える影響、(3)脳腸相関による自律的な顎口腔機能の制御システムに関与する受容体を検証する。本年度は、動物モデルを用いて末梢感覚と唾液分泌の関係を明らかにした。今後、生体恒常性の維持の根幹である視床下部から唾液分泌中枢への脳内の情報伝達メカニズムを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内臓感覚を支配する迷走神経の刺激と摂食関連ペプチドの脳室内投与が唾液分泌を含む顎口腔機能に及ぼす影響とメカニズムを解明するため、ラット脳腸相関モデルの作製を行った。本実験モデルはWistar 系雄性ラットの顎下腺導管にポリエチレンチューブを挿入し、咽頭・食道・胃に分布する迷走神経各枝に刺激電極を設置後、脳定位装置で脳室にカニューレを設置し、頭部から導出して行った。本モデルラットを用いて迷走神経刺激と摂食関連ペプチドの脳室内投与による唾液分泌を含む顎口腔生理機能の解析を行っているため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、唾液分泌を含む顎口腔機能の制御に関与する中枢の神経応答特性と伝達機序の解明を行う。前年度までに検証した受容体分布を基にして、唾液分泌中枢の神経応答特性と、視床下部や迷走神経(内臓感覚)から唾液分泌中枢への情報伝達機序を解明する。パッチクランプ法(唾液分泌中枢の電気的神経活動の記録)では蛍光色素を注入して逆行性蛍光標識し、マイクロスライサーで唾液分泌中枢を含む新鮮脳スライス標本を作製する。摂食関連ペプチドに対する唾液分泌中枢(上唾液核ニューロン)の神経応答(微小興奮性シナプス後電流)の頻度と振幅を記録し唾液分泌を制御する情報伝達機序を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロスライサーで唾液分泌中枢を含む新鮮脳スライス標本を作製するためのスライサーや、電気増幅装置および関連試薬の購入を行う予定である。
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Research Products
(7 results)