2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24792450
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
新井 清美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (50509700)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プレアルコホリック / リスク要因 / リスク判断 / 飲酒の教育 / 早期発見・介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルコール依存症者の自助グループ(断酒新生会以下、断酒会とする)に所属する者200名を対象に質問紙調査法による調査を行い、85名(回収率:42.5%)の回答が得られた。調査項目は人口統計学的変数、AUDIT、飲酒動機、飲酒により実際に経験した事柄、飲み過ぎてしまう場面、飲み過ぎた時の対処法 、気分・不安障害等のスクリーニング・テスト(K6)とし、危険な飲酒のリスクが低いと考えられる医療機関の職員から得られたデータとの比較、検討をした。 プレアルコホリックには3つの段階があり、それに応じた対応が求められる。低リスク者は、問題のない飲み方を継続できるよう良好なメンタルヘルスを保つことが必要であり、必要時カウンセリングなどの援助が受けられるような体制が必要である。さらに、中学生や高校生等の段階から飲酒が及ぼす影響等の教育をしていくことが重要である。 高リスク者は、「人間関係の円滑化」を求めて飲酒をしているために「人と飲む」機会が多く、飲酒量が増加している傾向がある。ここでは、飲み過ぎた時の対処可能性の有無、飲酒動機の変化、人間関係の変化、健康への影響が危険なサインとなる。この段階では飲酒により生じる結果に対応可能であると考えられるため、アルコールの専門治療機関や、アルコールに精通している相談機関等で現状の認識とそれに対する対応可能性を評価し、それぞれに応じた介入をしていくことが必要である。 飲酒による問題が顕在化した段階では、アルコールにより生じた失敗や他者との関係性、自分自身の心理的な変化等が生じ、それを改善するために飲む一方、それらの事態が生じても飲み方を変化させない(またはできない)、あるいは人と飲むことを避け、一人で飲む等の傾向がある。この段階では本人を取り巻く人も協力し、アルコールの専門治療期間に繋げることが重要である。
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Research Products
(1 results)