2015 Fiscal Year Annual Research Report
外来化学療法を行う大腸がん術後患者のマネジメント能力を高めるケア基準の開発
Project/Area Number |
24792470
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
北村 佳子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (20454233)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 症状体験 / セルフマネジメント / 化学療法 / 外来がん患者 / 消化器がん術後患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,外来化学療法を受ける消化器がん術後患者の具体的な症状体験とそれに対するセルフマネジメントする力を測定し、自己効力感、QOLとの関連について明らかにすることである。そして、外来化学療法を行う消化器がん術後患者の自己効力感、QOLを高める看護への示唆を得ることである。 患者の実態を調査するために症状体験とセルフマネジメント力に関する質問紙を作成した。調査は、外来化学療法を受ける消化器がん術後患者61名を対象に聞き取り調査した。対象者の平均年齢は65.6±10.8歳。大腸がん38名(62.2%)、胃がん23名(37.7%)であった。対象者のうち43名(70.5%)に自覚症状ありと回答があった。外来化学療法を行う消化器がん術後患者の実態は、栄養状態の変化や排泄の変化を生じている者が多く、無症状を示すPerformance Status 0の患者でも心理社会的変化をきたしている割合が多かった。セルフマネジメント力では、行動の成果を評価する力を習得している患者の割合が低かった。また、自覚症状がある患者のセルフマネジメント力と自己効力感(r=.338)に有意な正の相関が認められた。以上のことから、患者自身で自分の行動に対する成果評価を適切に行えるような関わりが必要であり、その際の介入指標として本研究で作成したセルフマネジメント力調査項目が活用できることが示唆された。 以上の結果をふまえ、医療者が症状体験とセルフマネジメント力を適宜評価できるレジメを作成した。工夫した点は、使用方法と活用方法を明記したこと、症状体験とセルフマネジメント力の確認項目を表を用いて一面に明記したこと、携帯しやすいようにポケットサイズにしたこと、汚れにくい素材にしたことである。今後はこのツールを活用しての評価を行っていきたい。
|
Research Products
(1 results)