2013 Fiscal Year Annual Research Report
施設入所高齢者に対する尿意の確認に基づいた排尿援助方法の再構築
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24792560
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 五月 (形上 五月) 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40549317)
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Keywords | 尿意 / 排尿誘導法 / 施設入所高齢者 / 排尿援助 |
Research Abstract |
膀胱機能が維持しており尿意が不明瞭な高齢者に対し,尿意を確認する排尿援助を実施し,尿意の表出や尿失禁の改善などの有効性が示されたが対象者の選定には課題が残った.平成25年度は尿意の訴え方と援助方法の実態,尿意の訴えの有無に関連する要因を明らかにし,尿意を訴える能力に応じた援助方法を検討した.介護施設入所中で排尿援助に介助を要する高齢者を対象とした.調査内容および方法は,高齢者の尿意の訴えについては排尿援助の尿意の訴えの場面の行動観察により情報収集を行った.尿意の訴えに関連すると考えられる要因のうち言語障害の有無,援助方法,尿失禁率はカルテやスタッフからの聞き取りを行い,認知機能(NMスケール),認知症行動障害尺度(DBDS),N式老年者用日常生活動作能力尺度(N-ADL),意欲の指標(VI)については行動観察により研究者とスタッフで相互評価した.分析方法は,尿意の訴え方について,尿意を訴える群と尿意を訴えない群に分類し分析した.尿意の訴え方と言語障害の有無,援助方法との関連についてはχ2検定を,尿意の訴え方とNMスケール,DBDS,N-ADL,VI,尿失禁率についてはMann-Whitney U検定を用い分析した.対象者は17名で平均年齢は84.6歳,性別は男性6名(35.7%),女性は11名(64.7%)であった.対象の尿意の訴え方は,尿意を訴える群11名(64.7%),尿意を訴えない群6名(35.3%)であった.尿意の訴えと各項目との関連は,尿意を訴える者は尿意を訴えない者と比べ有意にN-ADL得点が高かった(P=0.029).また,尿意を訴える者は尿意を訴えない者と比べ有意にVI得点が高かった(P=0.008).尿意の訴えにはADLと意欲が関連し,尿意の訴えを促すためには,高齢者のもつADL能力を最大限活用し,排尿援助を含めた生活意欲を高めるための工夫が必要である.
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Research Products
(2 results)