2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民の心身の健康とソーシャル・キャピタルとの関連及び地域支援介入モデルの構築
Project/Area Number |
24792565
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
豊里 竹彦 琉球大学, 医学部, 准教授 (40452958)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 健康行動 / ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、地域住民の健康行動と職場におけるソーシャルキャピタル(Work place social capital、以下WPSC)との関連を明らかにし、健康長寿に向けた実践的な地域支援介入プログラムの方策に資することを目的とした。 沖縄県内の病床数が200床以上かつ療養型病床が50%以上の病院を除いた38施設のうち、了承を得られた24施設の看護師2595名を対象に留置き式自記式無記名質問紙調査を行った。2311名の回答のうち、分析項目に欠損のあるものを除いた2135名を分析対象とした。分析は健康行動を従属変数、WPSCを独立変数、基本属性を調整変数とするロジスティック回帰分析を行った。調査内容は、基本属性、健康行動およびWPSCは「一般的に、あなたの病院の職員は信頼できると思いますか。」の問いに5件法で解答を求め、信頼できない、信頼できるの2群に分類した。 結果、WPSCと喫煙との関連では、男性で有意な関連を認めず(OR=1.4, 95%CI=0.9-2.1)、女性で有意な関連を認め(OR=1.9, 95%CI=1.3-2.7)、職場での信頼感がある者は喫煙行動が抑制されることが示された。食行動との関連では、男性で有意な関連を認めず(OR=0.98, 95%CI=0.7-1.4)、女性では有意な関連を認め(OR=1.5, 95%CI=1.3-1.9)、信頼感がある者は朝食の欠食を抑制することが示された。睡眠との関連では、男性で有意な関連を認め(OR=0.6, 95%CI=0.3-0.9)、信頼感がある者は睡眠が良好であることが示された。飲酒や運動との関連では、男女とも有意な関連を認めなかった。 本研究結果より、職場におけるSCが健康行動に影響することが示唆され、地域住民の健康を維持・増進には地域のSCのみならず、職場におけるSCの醸成が重要であることが示された。
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Research Products
(2 results)