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2015 Fiscal Year Annual Research Report

豪農経営における当主の弟の役割再考

Research Project

Project/Area Number 24820027
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

加納 亜由子  神戸大学, 経済経営研究所, 助教 (00634346)

Project Period (FY) 2012-08-31 – 2016-03-31
Keywords家 / 家産 / 家族役割 / 豪農経営 / 二男三男 / 当主の弟 / 非相続人
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、【豪農の二男として生まれ、家を相続しないまま、当主の弟・叔父の立場で生家に留まり続けた人物(当主の弟)】に注目。当主の弟(非相続人)が家産管理に関与することの意義を解明している。昨年度までの研究では、美作国吉野郡有元家資料の調査と史料収集を行い、留守宅と出張先(当主とその弟)との間で頻繁に書状が交わされていたこと、用件は(a)地方役人業務の相談/(b)家産に関わる問題の二種類に大別できることを確認した。
今年度は、書状中に登場する有元家所持地トラブル(仲ノ田一件)に着目し、以下3つの側面から分析をすすめた。
(1)掛屋業務の実態解明  当時、当主の弟は「掛屋見習」を勤めていたため、掛屋として仲ノ田一件に関わった可能性を排除しきれなかった。そこで、年貢収納関係の史料の収集と分析を行い、当該地域(土浦藩領美作領)の掛屋業務を整理。この一件は、掛屋業務の範疇のものではなく、当主の弟が家産管理に関わったという特殊事例であることを確認した。
(2)近世家研究の研究史の再整理  近年の研究では、家産の所有主体は当主個人ではなく「当主に代表される『家』」であったことが強調されている。また、近世後期には地方役人業務が「家業」化しており、農業経営と多忙な地方役人業務との両立が大きな関心事であったことも指摘されている。
(3)「当主に代表される『家』」の実態解明  本研究では、当主の弟らから提示された複数の見解が「家の意向」へと収斂され、当主による家産処理行為として結実する過程を明らかにした。また当主の弟は、掛屋見習として公的行為に携わった経験と能力を持ちながらも、家産管理の主体になることはなかった。家産管理は当主の専権で行いうるものではなかったが、当主名義で行わねばならなかった。これが「当主に代表される『家』」の実像である。

Research Progress Status

27年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

27年度が最終年度であるため、記入しない。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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