2013 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞の認識、検出と治療を同時に達成する新規金属含有がん治療薬の創出
Project/Area Number |
24890256
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
久松 洋介 東京理科大学, 薬学部, 助教 (80587270)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | がん治療薬 / 燐光 / イリジウム錯体 / イメージング / ペプチド / pHプローブ / 細胞死 |
Research Abstract |
本研究では、副作用の少ない新規金属含有がん治療薬の創製を目指し、TRAILを模倣しがん細胞選択的な細胞死誘導活性とがん細胞のイメージングを同時に達成する化合物の開発に取り組んだ。 昨年度、DR5との相互作用が予想されるPatchAペプチドを導入したイリジウム錯体を合成し、細胞死誘導活性をMTTアッセイにより評価した。その結果、化合物濃度が75μMと高濃度であるものの、25%程度の細胞死が誘導された。本年度は、この化合物の細胞死誘導メカニズムについて検討したが、期待したアポトーシスではなく、ネクローシス様の細胞死であることが明らかとなった。そこで、DR5に対して高い親和性を示すことが報告されている環状ペプチドをイリジウム錯体に導入した化合物を新たに設計・合成した。これらの化合物ついて、Jurkat 細胞の染色実験を行ったところ、DR5を発現する細胞膜に局在した発光が観察された。DR5の発現量の異なるがん細胞に対して、環状ペプチド含有イリジウム錯体を用いた染色実験を行ったところ、DR5の発現量依存的に染色されることが示唆された。一方、これらの化合物を用いたMTTアッセイでは、1μM以下の濃度条件下で、細胞死誘導活性は見られなかった。今後、化合物の水溶性向上を期待し、リンカー部位に親水性を付与した化合物を合成し、その評価を進める予定である。 ペプチド含有イリジウム錯体に加えて、pH応答性と光照射による細胞死誘導活性を有するイリジウム錯体の設計・合成を行った。イリジウム錯体の5'位にピリジン環を導入した化合物では、中性~塩基性条件では緑色の発光を示し、酸性条件下で赤色の発光が観測された。また、ピリジン体は、優れた光増感剤としての性質を持つ事をDPBFによる一重項酸素捕捉実験より確認し、これらの錯体をHeLa-S3細胞に導入し、光照射を行う事でネクローシス様の細胞死が誘導された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)