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2024 Fiscal Year Research-status Report

先史時代における屋根材を中心とした建築部材の研究

Research Project

Project/Area Number 24K04331
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

谷 直子 (田尻直子)  九州大学, 人文科学研究院, 助教 (90807984)

Project Period (FY) 2024-04-01 – 2027-03-31
Keywords出土建築部材 / 掘立柱建物 / 弥生・古墳時代 / 屋根の構造 / 垂木
Outline of Annual Research Achievements

本研究は先史時代を中心とした屋根構造部材の加工技術・建築技法の体系を検討し、それがどのように地域的分布を示すかという考古学研究上の基本的な作業を行うことで、屋根構造を通して、先史時代の建築技術を実態的に明らかにすることを目的とする。
そのため2024年度は、従来研究を進めてきた福岡県の建築部材と地理的に近い九州の中南部地域と韓国の資料について検討を進めたほか、福井県においても建築部材を実見する機会を得た。その結果、福岡・鹿児島・福井において垂木固定の方法に共通性のある建築部材が存在することが判明した。また九州においては従来から建築部材に広葉樹が使用されることが一般的であるのに対し、福井を含む北陸では針葉樹が一般的であると考えられてきたが、当該の部材に関してのみは福井においても広葉樹材を用いることが判明した。福岡と鹿児島は同じ九州の範囲内であり、多少の気候の違いはあるが、高温多湿で台風など強風にさらされることが多いという共通点を持つため、屋根の先端部に当たる垂木の固定方法に共通性がある可能性が高いのは首肯できるが、福井は九州と気候が異なるように思われる。共通性の理解は今後の課題である。
またこれらの部材について奄美の高倉の部材に似るという指摘があったため、奄美大島に現存する高倉を調査した結果、当該の建築部材に想定される垂木の固定方法が、奄美の高倉と一部共通性を持ち、想定した垂木の固定方法が、実際十分に建築に耐えうることが判明した。またその際固定される側の垂木の先端形状も、北部九州で実際に出土している垂木の先端形状と共通することも判明した。こうした垂木の固定方法は、高床倉庫などに用いられる切妻屋根の軒先の形状として、従来、想定・復元されてきたものとは大きく異なる新たな知見である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究の進捗状況としては、新しい知見を得られたところもあるが、そのため当初の計画を変更して北陸の出土資料の調査を行ったり、垂木固定の方法に共通性のある建築部材が、実際の建築にも存在するのかを明らかにするために奄美の現存する高倉を調査したりしたため、
当初計画していた九州や韓国の出土建築部材について調査をし、九州地域の先史時代の建築技術を明らかにするという計画は少し遅れている。一方、次年度予定していた中国・近畿・北陸の資料については、着手できたという側面もある。
本年度は基礎作業が多いと想定していたため学会発表や論文執筆の計画は、当初からなかったが、新資料の知見などについて公表する機会を設けてもよかったと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては、2025年度は表面観察・形態分類・部材同士の結合のあり方・樹種や木取りなどについて調査し、加工技術・建築技法の体系を検討するという当初計画していた研究手法にのっとり、九州の建築部材の様相を早急に調査検討した後、今年度予定していた中国、四国、近畿、北陸の調査を行い、九州の状況と比較する。
また、2024年度の研究成果で、奄美大島の高倉の建築技法との共通性が見いだされたので、奄美大島の建築部材について、部材別に加工技術・建築技法の体系を検討し、先史時代の建築部材の形態や加工技術・建築技法にフィードバックする。現存する高床建物は北海道のアイヌの建築や八丈島の建物にも見られるため、これらも加えて調査する予定である。
これらの成果をもとに学会発表を行う予定である。
2026年度は東海地方について同様の調査検討をおこなう。これまでの研究成果を集約し、西日本全体の出土建築部材から見た屋根構造に関する研究発表および学術論文の公表を行う。

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Published: 2025-12-26  

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